エルサレムで事件を解決した私立探偵のエルキュール・ポワロ(ケネス・プラナー)が乗車していたオリエント急行の車内で、殺人事件が発生する。被害者はその前日にポワロに身辺警護を依頼してきた大富豪、エドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)であった。
ラチェットは12カ所を刺されて死亡していた。
ポワロが聞き込み調査を実施したところ、ハバード夫人(ミシェル・ファイファー)や家庭教師メアリー・デブナム(デイジー・リドリー)や宣教師エラール・エストラバトス(ペネロペ・クルス)や大学教授ハードマン(ウィレム・デフォー)やドラゴミロフ公爵夫人(ジュディ・デンチ)など乗客乗員の全員にアリバイがあったことが判明する。
事件の捜査は暗礁に乗り上げたかと思われたが、ポワロは天性の直観と丹念な推理で事件の真相を暴き出していく。
しかし、衝撃の真相を前にしてポワロは懊悩することになる。
真実を優先すべきなのか、それとも、正義を優先すべきなのかと。やがて、彼はある決断を下すことになる。
アガサ・クリスティの傑作ミステリー小説の映画化。

















何気ない会話や人間観察から相手の心理や嘘を見破り緻密な心理分析と物的証拠の積み重ねから推理し犯人を追い詰める名探偵ポワロが、オリエント急行に乗り合わせた乗客の証言の聞き取りや現場検証の中で乗客の証言の食い違いを突きラチェット殺しの犯人を追い詰めていく展開を、乗客それぞれが身分や過去を偽っていること、そして乗客それぞれが空軍大佐の息子が誘拐殺害されたアームストロング事件またはアームストロング家と関係していることを、ラチェット殺害現場に残っていた手紙の燃えかすにあった「デイジー」という名前や乗客の過去の調査と証言の食い違いなどから推理していくテンポの良い謎解きや犯人を追跡したり格闘するアクションを織り交ぜ描くことで、アガサ・クリスティに馴染みのない観客にも楽しめるように仕上げた豪華絢爛な傑作ミステリー映画です。
アクティブでスタイリッシュな人気刑事ドラマ「相棒」の杉下右京のような名探偵ポワロを熱演したケネス・プラナー、イギリスを代表する演技派俳優の豪華なアンサンブル、クライマックスでのポワロの謎解きと葛藤と犯人の切ない思いが、印象的です。


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