かつて香港の組織にいたウー(ニック・チョン)はボスのフェイ(サイモン・ヤム)を狙撃し、逃亡していた。逃亡生活の中、家庭をもったウーは、いま安らぎの場を求めて妻子と共にマカオに住んでいる。そんな中、ブレイズ(アンソニー・ウォン)とファット(ラム・シュ)が、ウーの殺害をフェイから命じられてウーの家にやってくる。一方、タイ(フランシス・ン)とキャット(ロイ・チョン)は、ウーを守るためにやってきた。5人は一緒に育った間柄。強い絆で結ばれていたが、今は立場を違えていた。ウーが部屋に入ると、続いてタイとブレイズも家の中へ。3人は2階に上がり、同時に撃ち合うが、彼らはウーの赤ん坊の泣き声を合図のように銃を下ろす。その夜、男たちはウーの妻ジン(ジョシー・ホー)も交えて晩餐を楽しんだ。妻子に金を遺したいというウーのため、5人は仲介屋ジェフに出向き、仕事を斡旋してもらう。選んだのは、マカオのボス、キョン(ラム・カートン)の殺害。5人はキョンを呼び出したレストランに向かうが、その場にキョンと手を組もうと企んでいたフェイが現れる。ウーがまだ生きていることを知り激昂するフェイがブレイズの胸に銃弾を撃ち込み、熾烈な銃撃戦が幕を開けた。防弾チョッキを着ていたブレイズたちは切り抜けるが、ウーは腹部を撃たれ隠れ家で闇医者に手術してもらう。ウーの手術中に隠れ家に、フェイとキョンが闇医者に手術してもらいにやって来る。ブレイズたちは慌てて隠れるが、手術途中のウーをフェイに見つかり、銃撃戦になる。ウーは腹部の傷が悪化して、車の中で息絶える。遺体をウーの家に運んだ4人にウーの妻が銃を向け、弾が切れてもなお銃の引き金を引き続けた。ブレイズたちは逃走資金とウーの妻子に残す金を稼ぐため、ジェフから依頼された政治家の裏金の金塊強奪を実行する。4人は荒れた山地に向かい、夜、焚火を囲みながらそれぞれの夢を語り合う。そこに、フェイからブレイズに電話が入る。復讐のため4人の行方を捜しているウーの妻と子がジェフのホテルにいるが、今夜12時までに来なければ妻子の命はないという。ホテルに乗り込んだ4人は、待ち伏せしたフェイたちを挑発するようにバーの酒をらっぱ飲みし、記念写真を撮影したり大はしゃぎ。そこへフェイとウーの妻子が現れブレイズに銃を乱射するが、ブレイズの目に込められた謝罪の気持ちに打たれどうしても殺せない。ブレイズたちからの金塊で手打ちにしようという申し出に、フェイはブレイズだけ残してあとの者は去れと言う。だが、男3人はウーの妻子だけ外に出し、扉を閉めた。驚いたフェイが空き缶を投げつけブレイズたちが缶蹴りリレーすると同時に、銃弾が激しく飛び交った。
海外で数多くの映画賞を受賞しジョニー・トーの最高傑作と名高いアクションノワールの傑作。
アンソニー・ウォン演じるブレイズたちプロの殺し屋たちの、自分の命より大事な仲間や親友の絆のために命懸けで自分なりの仁義を貫く男たちのダンディズムが、冒頭のブレイズたちとかつての仲間ウーとの持ち弾を揃えての銃撃戦、レストランでの仲間同士死角を守りながら敵を必中する銃撃戦、クライマックスでの缶蹴りをリレーしながらの銃撃戦と、ジョニー・トー独特な様式美とリアリズムとスポーツマンシップが組合わさった美しく激烈な銃撃戦を通して描かれていて、香港ノワールなど男の生きざまや美学を描くアクション映画が好きな人の心を熱くするはず。
ウーの家で思い出話に話を咲かせたり、焚き火を囲みながら夢を語るシーンでの、殺し屋たちの少年のようなじゃれあいに心温まる。
大切なもののために笑顔で散っていく漢たちの生きざまが強烈に焼き付く、「男たちの挽歌」シリーズや「ヒーロー・ネバー・ダイ」に並ぶ香港ノワールの傑作。


にほんブログ村 映画ブログ 映画日記へ
にほんブログ村