宮本陽平(阿部寛)と美代子(天海祐希)は、学生時代に合コンで知り合い、卒業と同時にできちゃった婚。
ごく平穏な結婚生活25年を経て、子供の独立の時を迎えていた。夫と妻から、父親と母親に形を変えてきた夫婦生活。理想の夫ではないにしても浮気もせず、教師として真面目に働き、きちんと給料を入れる、そんな自分に何の問題もないと陽平は思っていた。
だが息子夫婦が福島へ転勤で旅立った日、25年振りの二人きりの生活に戸惑い、陽平と美代子はついつい飲みすぎ、ついに美代子が飲みつぶれてしまう。その夜、陽平は妻の記入欄がすべて書き込まれて捺印された離婚届を本棚で発見。順風満帆の夫婦生活と思っていた陽平は激しく動揺する。しかし、妻に問いただす勇気もなく、ただ悶々とする陽平。
そんなある日、耐えられずに陽平は趣味の料理教室仲間に相談するが、妻の浮気を示唆されて余計に不安を募らせる。
これまでの人生を常に何が正しいかを考えながら生きてきた陽平。教師として学校でふれあう生徒とその家族、趣味で通う料理学校で垣間見るよその夫婦の姿、そこには、さまざまな夫婦そして家族の形がある。正しいことって何だろうかと、陽平の惑いは深まるばかりであった。そんな時、突然美代子が家を飛び出してしまう……。
「家政婦のミタ」などの名脚本家遊川和彦の初監督作。




優柔不断な夫としっかり者の妻が、偶然妻が書いた離婚届を見つけたのをきっかけに、夫の教え子の母が浮気相手と交通事故をお越し教え子が母とどう向き合うかの悩み、夫が通う料理教室の料理仲間が夫との喧嘩や新婚間近の料理仲間が婚約者に浮気されたり、自分の周囲の騒動に巻き込まれたり向き合う中で、優柔不断な夫が自分の妻への気持ちに妻の不安に向き合うようになっていく展開が、大人のラブコメディとして洒脱にユーモラスに描かれていて、ちゃんと向き合うことの大切さや人と人を繋ぐ料理や優しさの大切さが伝わってくるほっこりした後味で、優柔不断で不器用な阿部寛やしっかり者で不器用な天海祐希や菅野美穂や相武紗季の演技、ハートウォーミングなエンディングが、印象的です。

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