ある出来事がきっかけに仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごしていた佐藤達夫(綾野剛)は、ある日パチンコ屋で使い捨てライターをあげたことをきっかけに、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児(菅田将暉)と知り合う。

拓児に誘われるままについていくと、そこは取り残されたように存在している一軒のバラックだった。

そこで達夫は、拓児の姉・千夏(池脇千鶴)と出会う。 

互いに心惹かれ、二人は距離を縮めていくが、千夏は家族を支えるため、達夫の想像以上に過酷な日常を生きていた。

それでも、千夏への一途な愛を貫こうとする達夫。

達夫のまっすぐな想いに揺れ動かされる千夏。

千夏の魂にふれたことから、達夫の現実が静かに色づきはじめ、達夫は失いかけていたこの世界への希求を取り戻していく。

そんなとき、ある事件が起こる。 

佐藤泰志の傑作小説の映画化。













山での落盤事故をきっかけに明日を考えず希望を無くして生きる達夫が何気ない幸せを諦めて生きていた千夏と仮釈放中で地を這うような暮らしをしている拓児と出会い、少しずつ家族として千夏や拓児と生き直そうとする達夫や達夫と行き詰まった暮らしから抜け出し愛し合って生きようとする千夏や仮釈放中で姉の千夏の世話になりっぱなしの生活から抜け出そうとする拓児の再生と希望と絶望をドキュメンタリータッチで描いたストーリー、仕事があまりなく函館の実力者の植木屋の社長にすがらなくては人並みな暮らしが出来ないし痴呆症の父親と仮釈放中の弟を抱え体を売りながら暮らしている千夏と姉を愛人として弄んでいるのを知りながら仮釈放の身柄引き受け人の植木屋の社長に取り入りながら這い上がろうとしている拓児の閉塞感、達夫と拓児の義兄弟のようなマブダチのような男同士の友情、綾野剛の漂うような淋しさ、池脇千鶴の生活や人生に疲れた女の色香、菅田将暉の人懐っこいヤンチャさ、チャーハンやジンギスカン鍋や屋台の食べ物など美味しい食べ物、達夫と拓児がママチャリを二人乗りするシーンや達夫と千夏が初めて海の中で抱き締め合うシーンや達夫と千夏がお互いをいとおしむように愛し合うシーンや達夫と千夏と拓児が家族として生きていこうと仲良くカレーを食べるシーンや地を這うような生き方をしても誰かが見捨てずに側にいれば希望を持って生きることが出来ると思えたラストの朝日に照らされた達夫と千夏が印象的で、地を這うような生き方をしても誰かにすがり愛し合って生きようとする人間が息づいている傑作ヒューマンドラマ映画でした。









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