2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2821ページ
ナイス数:290ナイス

安倍晋三 沈黙の仮面: その血脈と生い立ちの秘密感想
安倍の保守主義のベースになったのは、西部暹。だがそれは岸信介が押し進めた保守主義が正しいと後付けするための知識吸収で、父が第二次世界大戦という戦争に対する懐疑的な姿勢に対する反発がベースにあり、安倍晋三の戦前回帰志向の根っこにある。北朝鮮の拉致事件に対する強硬姿勢が支持され、安倍は強硬姿勢にこだわるようになった。だが、北朝鮮の再調査の回答が帰ってこず、安倍は拉致問題の解決が足踏み状態になっている。安倍晋三を長年取材してきた著者だから書けるルポルタージュでした。
読了日:6月1日 著者:野上忠興
キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー (ShoPro Books)感想
レッドスカルが脱獄した怒りと毎夜苛む戦争中の忌まわしい記憶から逃避したくて任務中に命知らずな行動を取りながら戦う意義を探し求めるキャプテン・アメリカの苦悩、コズミックキューブを巡るキャプテン・アメリカたちシールズとルーキン将軍とバロンジーモとクロスボーンズの争奪戦、第二次世界大戦と現在を行ったり来たりしながらのスパイ映画のようなスケールとサスペンス、洗脳されたバッキーをファルコンやエージェント13の力を借りて正気に戻そうとするキャプテン・アメリカの奮闘、キャプテン・アメリカのシリーズ最高傑作です。
読了日:6月1日 著者:エド・ブルベイカー
ageha (講談社コミックス別冊フレンド)感想
ユーリとマヤは、モデルを目指す親友同士。マヤの方が先にモデルとしてデビューしてから友情にヒビが入る。原作の桜井亜美さんが言うように、女の子の親友に対する想いは恋と似ていて、相手の一番でいたい。先に彼氏が出来たり夢を叶えたりすると置いてきぼりになった気持ちになって、ジェラシーを抱いてしまう。それでも友情を大事に出来るかが、丁寧に描かれた傑作少女漫画です。
読了日:6月1日 著者:渡辺あゆ
大川隆法の霊言―神理百問百答感想
ジャーナリスト米本和広が大川隆法の教えを霊言集のスタイルで批判したもの。大川隆法の霊言集は基本的事実や常識に対する誤認が多い(内村鑑三は実際には日清戦争に賛成していたのに、反対しているなど)、ネタ本からのパクりが多い。おまけに「瞑想の極意」という本では、座禅や呼吸法については書いてなく体重を増やせば良いと爆笑ものの内容。霊言集の根っこにある障害者女性差別思想までも明らかにした、幸福の科学信者脱洗脳本です。
読了日:6月4日 著者:米本和広,島田裕巳
別冊映画秘宝 アメコミ映画完全ガイド2016 バトルガールU.S.A. (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)感想
今回は、ワンダーウーマンやハーレイクインなどスーパーヒロインの徹底解説が、メイン。アメコミスーパーヒロインの変化を解説する記事など、アメコミにはまり始めの女性読者層にも興味深い記事が満載。シビルウォーをキャップとアイアンマンの目線から解説した記事や何故ファンタスティックフォーが失敗したか検証した記事など、アメコミマニア向けの記事も充実。
読了日:6月13日 著者:光岡三ツ子,石井誠,石川裕人,岡本敦史,小池顕久,斉藤博昭,堺三保,澤井健,高橋ヨシキ,多田遠志,てらさわホーク,内藤真代,中沢俊介,中野貴雄,ふこをさん,森笠佑馬,主水,山口侘助,傭兵ペンギン
奥さまは愛国感想
過激な排外主義運動に参加する女性の心情に迫ったノンフィクション。仕事柄中国の実状を知り排外主義運動に参加する女性や偏った報道のマスコミに苛立ち排外主義運動に参加する女性など、伝統的な価値観や日本人であることに対する執着、慰安婦問題に対する反感には自分たち女性の声をあげられない苛立ちと弱者になりたくないという歪んだ自尊心がある。 外国人に対する拒否反応など、一般人の中にあるレイシズムの根っこを知ることができるノンフィクション。
読了日:6月17日 著者:北原みのり,朴順梨(パクスニ)
冥闇 (小学館文庫)感想
ウソつきな主人公リビーなど問題を抱えウソつきで弱さを抱えたキャラクターの人間性をリアルに描き出す緻密なキャラクター描写、一家惨殺事件の謎解きをする中で浮かび上がってくる若者による悪魔崇拝者や農業危機にさらされ借金に追われる農家の苦しみや借金で生活に行き詰まった人々の救世主気取りで人々の自殺に手を貸す謎の男や噂と偏見に縛られた田舎街の閉塞感、リビーやベンやパティの視点が交錯していく巧みな語り口で衝撃的だけど家族愛が沁みるオチまで惹き付けられます。
読了日:6月23日 著者:ギリアンフリン
純水アドレッセンス (IDコミックス 百合姫コミックス)感想
松本先生と奥村ななおの同性同士のもどかしい恋を描いた傑作百合漫画。好きな人に自分の名前を呼ばれた時の心臓を鷲づかみされたような苦しみ、好きという想いを祝福してもらえないという怖れから自分の気持ちにブレーキをかけてしまうもどかしさ、指に噛み跡をつけてしまったり、ドキドキさせられる傑作百合コミックです。
読了日:6月25日 著者:かずまこを
季刊[ビィ]Be!123号感想
注目記事は、こわれ者の祭典の月乃光司と田代まさしの緊急対談です。清原元選手の報道に違和感を示し、依存症者が必要なのは先行く仲間の支えと自分が依存症者であるという認識と今日1日止める努力、アメリカのような最初の執行猶予で治療に繋げられるシステムが必要。強みを見つける誌上講座では、自分の好きなことや問題行動から強みを見つけるワークが書いてあって、役立ちます。
読了日:6月25日 著者:
毒婦たち: 東電OLと木嶋佳苗のあいだ感想
東電OLと木嶋佳苗の間にあるもの。援助交際している世代であることに着目して、男子に対する強烈な憎悪と嫌悪、団塊世代が生み出す近代家族の幻想に対する幻滅、均等法でも変わらなかった不平等な現実に対する苛立ちがあることなどを炙り出した1冊。
読了日:6月26日 著者:上野千鶴子,信田さよ子,北原みのり
後妻業 (文春文庫)感想
結婚相談所所長の柏木と会員で後妻業のパートナー小夜子が、高齢の資産家に公正証書遺言書で自分に遺産が行くように言葉巧みに書かせ、なかなか死なない資産家を事故や病気に見せかけて殺す手管、元刑事の探偵が後妻業の柏木と小夜子を追いつめていくサスペンス、小夜子と遺族の遺産の遺留分を巡っての駆け引き、小夜子と柏木の末路、金と欲に眩んだ人々のコミカルな描写特に小夜子の突き抜けた銭ゲバぶりもあって痛快なピかレスク小説に仕上がっています。
読了日:6月29日 著者:黒川博行

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