アクション映画、恋愛映画、アニメ…取り上げたジャンルを問わぬ映画作品の数々には、その全てに、まさに荒木飛呂彦流の「サスペンスの鉄則」が潜んでいる。

本書は、その一つひとつを徹底的に分析し、作品をまったく新しい視点から捉え直した映画論であり、エンタテインメント論である。

『ジョジョの奇妙な冒険』を描かせたとも言える、荒木飛呂彦独特の創作術とは?

映画の大胆な分析を通じて、その秘密が明らかに。 

荒木飛呂彦が理想とする良いサスペンスの条件とは、ストーリーを惹きつける「謎」、主人公に共感出来ること、ストーリーに説得力を与える設定描写の妙、見る者が憧れるファンタジー性、泣けること。

このサスペンスの条件が荒木飛呂彦の認めた映画でどのように演出されているかを、スピルバーグ監督の「ジョーズ」「ジュラシックパーク」、デパルマ監督の「殺しのドレス」、イーストウッド監督の映画や「96時間」や「ヒート」などのサスペンス映画を通して具体的なシーンを引用して説明しているので、漫画家や監督志望の人が読んでも、楽しめる映画本になっています。