犯罪小説の巨匠ジェイムズ・エルロイが書き下ろした脚本をキアヌ・リーブス主演で映画化したクライム・アクション。元相棒の殺人事件を調べ始めた刑事が巨大な闇に立ち向かう姿を描く。

LA市警のベテラン刑事トム・ラドロー(キアヌ・リーブス)は、正義のためには手段を選ばない一匹狼。

その強引なやり方が同僚たちからも問題視されていたものの、上司のジャック・ワンダー(フォレスト・ウィティカー)だけはトムを信じ、庇い続けていた。

ある日、トムはかつての相棒ワシントンが、彼を内部調査部に密告しようとしているとの情報を掴み警戒していたところ、当のワシントンが強盗事件に巻き込まれ、彼の目の前で殺されてしまう。

トムは自ら犯人を挙げるべく独自で捜査を進めていくが…。 

不倫の末に死んだ妻のトラウマに苦しんで酒に溺れながらも、囮捜査など特捜部の汚い仕事を一手に引き受けて手荒に犯罪者を締め上げているトム刑事を、キアヌ・リーブスが熱演。





警察内部の権力争い(内務調査部が刑事部より強いなど)や仲間を庇うために証拠を隠蔽したりするロス市警の闇の部分をリアルに描いているのは、さすがはジェイムズ・エルロイ脚本ならではです。

「仁義なき戦い」の山守を思わせる狡猾な上司ジャックを演じるフォレスト・ウィティカーの小狡い存在感も、忘れがたいです。

元相棒を殺害した犯人の正体や警察内部の腐敗の真相も、意外でした。硬派なクライムアクション映画の傑作に、仕上がっています。