「あなたは必要な時、自分の意見がはっきり言えますか。頼まれごとをした時、自分の気持ちを偽らずに“イエス”や“ノー”が言えますか。また感情的にならずに話し合えますか。」
私たちは、相手を傷つけることを恐れて“ノー”と言えずに断りたいことを引き受けてしまったり、不本意に自分を押し殺して後悔してしまいがちです。
また反対に、必要以上に自分の意見を押しつけて後味の悪い思いをすることもあります。
このようなギクシャクした人間関係ではなく、相手も自分も大切にする人間関係をつくる自己表現がアサーションです。
価値の多様化、社会構造の変化が進む現在においては、人がそれぞれの違いを認め、その上で自分らしいコミュニケーションを行うことが求められています。
アサーションは、そのための普遍的な黄金律を教えてくれます。本書は、1993年の発売以来、累計部数10万部を超えるアサーション・トレーニングのマスターピース、「アサーション・トレーニング~さわやかな〈自己表現〉のために~」に大幅な加筆と改訂を行いました。
日本にアサーション・トレーニングを最初に紹介し、以来25年間、その普及のために第一線で活躍されてきた平木典子先生による、原典にして決定版というべき1冊です。
ある心理学者は、人間関係の持ち方は大きく分けて3つあると言っている。自分のことより他者を優先する、自分のことだけ考えて押し通す、自分のことも考えるが他者も尊重するタイプ。第3のタイプを、アサーティブと呼ぶ。
何故アサーティブになれないか、自分の気持ちを把握出来ていない、結果や周囲を気にし過ぎる、アサーティブな考え方やスキルを身につけていないのが原因。
具体的なハウツーとしては、「DESC法」。
自分が対応しようとしている状況や相手の行動に対する自分の感情や気持ちを、建設的に明確にあまり感情的にならずに述べる。
相手に望む行動や妥協案や解決策などを、具体的に現実的に明確に提案を述べる。
言語表現のための心構えでは、相手に言われことに対する返事だけでなく、質問に関連したことや自分が関心があることを付け加えて話題を広げる。閉じた質問と開かれた質問を使い分ける。積極的に相手の話に耳を傾ける。