1975年リリースのサードアルバム「明日なき暴走 BORN TO RUN」で一大センセーションを巻き起こしたブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)。
それから7年が経った1982年のニュージャージーで、彼は人生の大きなターニングポイントを迎えていた。
二枚組アルバム「ザ・リバー」のツアーを終え、次の楽曲制作に取り掛かろうとするボスが、ニュージャージーの湖畔にある一軒家に引っ越す。
名声の影で深い孤独と葛藤に揺れていたブルースは、ロックスターとしての喧騒を離れ、誰もいない荒野のような“どこでもない場所”へ向かう。
4トラックのレコーダー1台、手元にあるのは曲になりかけた断片だけ。
恋人との時間、幼き日の母との思い出、そして父との確執に苛まれながら、彼は静かに魂を刻み始める。
世界の頂点に立つ直前、スプリングスティーンは成功の重圧と自らの過去に押しつぶされそうになりながらも、わずか4トラックの録音機の前で、たったひとり静かに歌いはじめる。
それはのちに、アルバム「ネブラスカ」「ボーン・イン・ザ・USA」に収録される曲だった。
ドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」のジェレミー・アレン・ホワイトが主演を務め、ギター、ハーモニカ、歌唱トレーニングを経て若き日のスプリングスティーンを体現。「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」のジェレミー・ストロングがマネージャーのジョン・ランダウ役、「帰らない日曜日」のオデッサ・ヤングがガールフレンドのフェイ・ロマーノ役、「ボイリング・ポイント 沸騰」のスティーブン・グレアムが父親ダグ役、ドラマ「ブラック・バード」のポール・ウォルター・ハウザーがサウンドエンジニアのマイク・バトラン役で共演。
アメリカを代表するシンガーソングライター、ブルース・スプリングスティーンの若き日を描いた音楽ドラマ。ウォーレン・ゼインズの著書「Deliver Me from Nowhere」を原作に、「クレイジー・ハート」のスコット・クーパーが監督・脚本を手がけた。
まず注意しておきたいのは、「ボヘミアン・ラプソディ」と違いブルース・スプリングスティーンの曲を聞いたことがない生い立ちを知らない人には、なかなかハードルが高い映画ということ。
地元ニュージャージーで、新しいアルバムのデモテープを製作中に自分の父との確執や暗い過去を思い出す中で、パニック発作や鬱症状や自分の安易に他人を受け入れない気難しい性格にカウンセラーなど医療やプロデューサーで親友のジョン・ランダウのサポートを受けながら若きスプリングスティーンが向き合い困難なアルバムのレコーディングと並行して頑張っていく魂の旅は、ジェレミー・アレン・ホワイトの若きスプリングスティーンのなりきりぶりだけでなく繊細な心理をしっかり演じた熱演もあり見応えあって、スプリングスティーンとジョン・ランダウの理解し信じ合う男同士の友情や似たもの同士のスプリングスティーン父子の愛憎を越えた強い絆に心揺さぶられた音楽ヒューマンドラマ映画。
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ブルース・スプリングスティーン自伝レビュー↓
































