暴力、セックス、ドラッグ、殺しが蔓延る多国籍街・歌舞伎町。その一角にあるヤクザマンションと呼ばれるビルに事務所を構える安生組の組長が、組の資金3億円と共に姿を消した。
若頭・垣原(浅野忠信)は組長捜しに乗り出すが、その時既に組長はヤクザ壊滅を企む謎の手配師・ジジイ(塚本晋也)によってマインドコントロールされた、靴の踵に仕込んだ鉈を武器とする泣き虫の殺し屋・イチ(大森南朋)に殺されていた。
そのことを突き止めた垣原は、組長の仇を討つべく手下の高山(菅田俊)や会長・中沢、イチに過去の自分を投影する鉄砲玉の金子(SABU)、双子のサド刑事・二郎と三郎(松尾スズキ)、敵対する組の船鬼(國村隼)や鈴木(寺島進)ら周囲を巻き込んでイチ捜しを開始。
組織を破門されながらもイチとジジイを、追跡する垣原。ジジイにマインドコントロールされ垣原を狙うイチ。垣原を潰して新宿を「退屈な墓石のような街にするため」暗躍するジジイの対決は、運命の時をまさに迎えた。
山本英夫の同名コミックを、三池崇史がアバンギャルドに映画化して海外でカルト映画となったバイオレンス映画。
























組長の与えてくれる痛みを愛し、究極の絶望感と痛みを求めている究極のマゾヒストでサディストのヤクザ垣原。
ジジイにいじめられっ子だった記憶を植え付けられ、いじめられている時の抑圧された怒りやいじめている相手を痛めつけてやりたい欲望を、殺しや性で炸裂させる潜在的なサディストで泣き虫の殺し屋イチ。
サディストとマゾヒストの両面を持つ鬼畜同士の対決を、CGや実際に豚の内臓を使った人間の腕をもぎ取ったり人体唐竹割りなど日本映画のレイティングシステムに挑戦するような過激な切株描写や人体解体描写、強烈なサディストぶりと飄々としてる落差が怖い垣原を演じる浅野忠信や泣き虫でサディストの本性を持つ殺し屋イチを演じる大森南朋や目が動かない得体の知れない存在感を見せるジジイを演じる塚本晋也などの怪演、もはやアートの域のエレクトリックサウンドで描かれていて、クエンティン・タランティーノやイーライ・ロスなどの映画監督だけでなく海外でカルト映画化したのも納得のバイオレンス映画。



















不動産公認仲介士のク・ジョンテ(ピョン・ヨハン)は、顧客が預けた鍵でその家に入り、他人の人生を盗み見る異様な趣味を持っていた。
保護猫の支援で有名SNSインフルエンサーのハン・ソラ(シン・ヘソン)に興味を抱いた彼は、彼女の観察を開始。
ソラの家に入ることに成功したジョンテは、彼女の死体を発見してしまう。
彼がソラの家に出入りしたことを知る何者かに脅迫され、オ刑事(イエル)の捜査網が迫るなか、ジョンテは真犯人探しを始める。
『声/姿なき犯罪者』のピョン・ヨハンが殺人容疑をかけられたク・ジョンテ、『勇敢な市民』のシン・ヘソンが殺害された有名インフルエンサーのハン・ソラを演じるほか、『ザ・コール』のイエルが事件を追うオ刑事役で出演する。不法侵入した家で死体を発見してしまった男が、容疑の濡れ衣を晴らすべく奔走する姿を描くサスペンススリラー。













懇切丁寧な接客で名声を得る不動産公認仲介士でありながら、顧客から預かる鍵で家に不法侵入して他人の秘密を覗く趣味を持つジュンテ。
保護猫の支援で名声を得るインフルエンサーで自称ヴィーガンでありながら、肉食で言えない秘密を持つハン・ソラ。
二面性を持つ2人のサスペンスだけに、徐々に明らかになるハン・ソラやインフルエンサー仲間たちの関係や秘密、二転三転していく事件の真相、SNSで際限なく膨れ上がる承認欲求の闇、ピョン・ヨハンよりシン・ヘソンの多彩な演技が場をさらうサスペンススリラー映画。
「わたし、可哀想でしょ?」












社会を支配する巨大ネットワーク企業「ネットワーク」の情報操作により、社会が一握りの富裕層と圧倒的多数の貧困層に分断され、多くの人々が過酷な生活を強いられている近未来。
勤める企業の不正を告発し職を失い、重い病を抱えた娘の医療費にも困窮していたベン・リチャーズ(グレン・パウエル)は、優勝者に巨額の賞金が与えられるデスゲーム「ランニング・マン」への参加を決意する。
しかし、そのゲームの実態は、社会を支配する巨大ネットワーク企業が主催する世界最大のリアリティーショーであり、挑戦者の命懸けの逃走劇を全世界の観客が視聴するというものだった。
逃走範囲は無制限。高度な殺人スキルをもったマッコーン(リー・ペイス)率いるハンターたちが挑戦者を追跡し、さらには視聴者までもが懸賞金目立てで挑戦者を追いかける通報するという狂気のサバイバルが幕を開ける。
主人公ベン・リチャーズ役を「トップガン マーヴェリック」「ツイスターズ」のグレン・パウエルが演じ、彼をゲームへと誘う冷酷なテレビプロデューサーのダン・キリアンをジョシュ・ブローリン、ショーの司会者ボビーTをコールマン・ドミンゴが演じる。
逃げ切れば大金を手にできるが、捕まれば即死という命懸けの鬼ごっこに挑む男の運命を描くノンストップアクション。ベストセラー作家スティーブン・キングがリチャード・バックマン名義で1982年に発表し、1987年にはアーノルド・シュワルツェネッガー主演作「バトルランナー」として映画化された小説を、「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督が新たに映画化した。

























「バトル・ランナー」に比べると政府によるマスメディアの情報操作により国民が分断されて対立するデストピアの描写の社会風刺性、一般人のベンが人間狩りゲーム「ランニング・マン」に参加し友人のブローカーのモリーや反ネットワーク動画を配信しているエルトンや人質にしたアメリアの助けを借り執拗に追いかけてくるハンターだけでなく賞金目当てで通報する一般人の目から逃げつつ「ランニング・マン」を使って国民の不満を逸らす「ランニング・マン」のプロデューサーのダン・キリアンや政府に反撃するデスゲームと二転三転する展開のスリルとサスペンス、かなり原作に忠実で、正義感で世渡りに不器用なベンを演じただけでなく危険なアクションに体当たりで挑んだグレン・パウエルや現代的な悪党ダンを演じたジョシュ・ブローリンやクレージーな反ネットワーク動画配信者エルトンを演じたマイケル・セラやベンにより人生を変えられるアメリアを演じたエミリア・ジョーンズの演技とキャラクターのぶつかり合いが厚みがあって、社会風刺性と娯楽性がしっかり満たされる痛快サスペンスアクション映画。
「オレが、導火線だ」