サウナ、仕事、ウィスキー | 彼女が結婚したとしても

サウナ、仕事、ウィスキー

サウナの中で僕は彼女のことを考えていた。

彼女のことを考えながら、彼女のことを考えないようにしようとも考えていた。

皮膚からは玉のような汗が吹き出て、僕の表皮はまるでオーストリッチのかばんみたいだった。

じっとオーストリッチみたいな腕を見ているとだんだん気持ち悪くなってきて、それで彼女と

嫌いな柄について話をした金曜の夜を思い出した。

彼女は今頃何をしてるんだろう。時刻は22時過ぎだ。

彼女は他の男に甘えながら平穏な時間を過ごしているのだろうか。

そして、もう少し時間が経過すればきっとその男と風呂に入って風呂から上がり

キスをして、セックスをして、その後また甘えて眠るんだろうな、と考えた。

彼女はその間、僕のことを脳からゴミ箱の中に葬りそれらの行為に集中するんだろうと考えた。

あるいは土日の48時間、まったく僕のことなんて頭にないんだろうと考えた。

彼女が他の男とキスをすること、セックスをすることにももちろん、すべてに嫉妬してしまう。

まったく、嫉妬深い嫌な男になってしまったものだ。

どうしようもない気持ちになり、サウナを出て水風呂に入り冷水に頭のてっぺんまで浸かった。

風呂から出て、体重を計ると、年明けと比較して6キロ以上落ちていた。胸、背中は締まってきた。


友人とバーで酒を飲みながら仕事の話をしたり、それ以外の話をしたりした。

テレビがくだらない番組を放送したり、それ以外の番組を放送するように、ほとんどが仕事の話だった。

彼も僕も、仕事が嫌いじゃないんだろう。端的に言って好きなんだろうとすら思う。

彼の話を聞きながら、人生の優先順位について考えた。

彼女に伝えたIからWeへの転換の話を思い出した。

デジタル時計を見たとき、時刻は23:23と表示していた。

時間帯的にセックスをしている蓋然性が高い時間だな、と考えながら彼の話を聞いていた。


まったく、どんなときも彼女のことが頭から離れない。いつも嫉妬してしまう。

さらに困ったことは、彼女が僕との未来を全くと言っていいほど見ていないことだ。


困ったというよりも、辛いし、寂しい。

そう思えば、目の前にあるロックグラスに注がれた琥珀色のウィスキーはどこまでも

寂しい味に感じられる。

辛く寂しいウィスキーを飲みながら、それでも彼女を想ってる。