ウィスキーを飲みながら
「彼女は最高の女性だよ。君にとってパーフェクトだよ。惚れるのも仕方ないさ。」
なぜ、君にはそれがわかるんだ?とロックグラスを左手持ったまま聞いた。
「わかるさ。でも、誰にもわかるというわけでもないよ。僕にはそれがわかるんだ。」
と彼は少し笑いながら言った。
わかるようで、わからないな、と言った僕に、彼は続けた。
「君の彼女と、君の思考をずっと見てきたんだ。
君が求めるのはああいう女性だということはわかるんだよ。」
グラスをテーブルに置いて、僕は煙草に火をつけた。
「でも、彼女は君のものにはならないんだろう、と思うよ。」と彼は静かに、寂しげに話した。
なんでそう思うんだ?と聞いても彼は少し口ごもった後、静かに言った。
「もう、君にもわかってるんじゃないのかい?」
少し考えた後、僕は、これはわかる、わからないの問題じゃない。
理解の問題は問題ですらない。持つか、持たないかのもっと意識の問題がはじめにあって
そして、その意識の問題をクリアしたときに、次のステップが待ってるんだ。
発展的に思考しなければならない、と強めの口調で静かに言った。
「発展的思考か。君らしいね。」と優しく微笑みながら言った。
そんなことない、本気なだけだ。と言った。
「そんなこと言わなくても分かってるさ。
今夜は、発展的に考えよう。君に付き合うよ。
発展的で、ハッピーエンドになる途を探そうよ、2人で。楽しだろ?」
そうかもしれない、と僕は言って2人で酒を飲むことにした。
ロックグラスにはもうウィスキーが入ってなかったから
氷はそのままにウィスキーを足して口に含んだ。
ウィスキーならたくさんある。飲もう、ハッピーエンドは見つからないかもしれないけど、
と僕は彼に言った。
「飲みすぎると、明日つらいよ」と彼は言った。
僕は、関係ない、と言った。