風と雪崩 | 彼女が結婚したとしても

風と雪崩

一体何を書けばいいのだろうか。

どれくらいの時間を書いたり、消したりして時間を過ごしているのか、時間の感覚すら失われてきた。

それは、お酒を飲んでいるからか?いや、これくらいの量の酒では気分はよくなっても

記憶がなくなることはない。

というよりも、どれだけ大量の酒を飲んでも、僕は飲まされても記憶がなくならないタイプだ。

正確に記憶していることと言えば、21時前に家に帰ってきて、缶ビールを1本飲んだ後

ウィスキーを飲みながら、何かを書き始めたということだ。

それから色々なことを考えて、思い出して、たくさんのことを書いた。そして全てを消した。

読み返してみて、これは本当に自分が書きたいことではないような気がして、全てを消した。


文章を書くという作業は(これは、あくまで僕にとって)おそろしいことであるような気がする。

適当な一節を書き出し、その続きを何となく書いて、その続きが”それ”しかなくなった時、

自分の感情以上のものを書いてしまう。書き出すと止まらなくなり、それが自分が書いたものかすら

わからない、ある場合においてはとてもひどいことを書いてしまう。

思っていることと全く逆のことだって書けてしまう。


ほんの少しの風が吹いただけで、世界がまるまる覆われてしまうような雪崩が起きてしまうのと同じだ。

その雪崩被害は、風にとっても予想を超えすぎていたものだから

風は雪崩の被害を見てきっと後悔して、「そんなつもりじゃなかったんだ」と言う。

でも、雪崩の被害に遭った人たちや山は、風を許すことができず、風を恨み続けるようになる。

何年か後に、山の麓に神社が出来て、山の神様に風を黙らさせるように、お爺さんや、そのひ孫までの

村人たち全員で祈りを捧げ、風はあてもなく退屈に西に向かって彷徨う。

そして、「そんなつもりじゃなかったんだ。予想を超えていたんだ」とたまに思う。


また、無意味なことを書いてしまった。


けれど、僕が風でないように、このブログも雪崩ではない。彼女と僕との関係も雪崩被害にはならない。

というよりも、僕は”風”にはなりたくはない。彼女との関係を”雪崩”によって壊したくない。

そう思うから、書き直している。

でも、一体何を、どういう順番で、どう書けばいいのか、今の僕にはわからない。

自分の想いを書きたいだけなのに、うまく書けない。


 *


事実をちゃんと時系列に沿って整理しよう、と思って整理してみたが

事実なんて、どうだっていいと思った。


想いを書きたいだけなのに、書けない。


彼女に手紙を書くことにした。