家庭を持ちたい、と考えるときに考えること
彼女の声を聞いた夕方からの時間は幸せだった。
彼女は、私ひとりで電話しながら満面の笑みなんだよ、変な人だと思われるよ、と言った。
彼女はきっと本当に満面の笑みだったのかもしれない。
少し彼女を楽しく、幸せな時間を与えることができたのかもしれない。
今週中に2人で鍋やろう、おれの隣にいてくれて幸せな時間を過ごしたいだけなんだ、と言った。
彼女は、私もそうしたい、と言った。
ただ電話で話しただけ。なのに、安らいだし、とても幸せな時間を感じることが出来た。
彼女が笑えば、彼女の笑顔を思い浮かべた。
彼女が話せば、話すときの彼女の表情や仕草を思い出すことが出来た。
思い出されるそのすべては常におれを幸せにしてくれる。
*
「結婚を意識すると、全く別の視点で女を選ぶ」と友人に何気なく話して、
友人よりも自分自身がなるほどな、と思った。
ただ単に付き合うだけなら、彼女が言うように他の女でもよいかもしれない。
でも、結婚となると彼女じゃないとだめだ、と思う自分に気づいた。
彼女は結婚している。これは疑いようのない事実で、どうしようもなく絶望的だけれども
おれは"彼女=理想の結婚相手"としてのジャッジメントをした。それも疑いようのない事実だ。
テーブルの右も左も家族連れだった。
左のテーブルでは、両親と中学生の男の子一人の3人で、右のテーブルでは両親と
中学生の男の子と女の子の4人でそれぞれ、思春期の子供らしい会話と間とトーンで
食事をしていた。
それを見て、「家庭を持ちたい」という話をした。
それぞれの家庭観とか子供をこう育てたいとか、妻にはこれを望むというような話をした。
その間、常に彼女のことを思い浮かべた。
そして、彼女はやっぱり理想の結婚相手だな、と思った。
*
彼女が振り向いてくれるために必要なものが何なのかはわからない。
年収なのか、人間性なのか、ビジュアルなのか
はたまた、単に彼女の思い切りだけなのか、わからない。
どれをとるにしても、”時間”はとても重要に思える。
だとすれば、時間の経過を待つ。
季節が変わるように、彼女がおれのところにやってくればそれでいい。
2人で過ごすことが出来れば、一生一緒に幸せに過ごすだけだ。
そこには、理想的な夫婦があって、幸せな家庭がある。
それを築く絶対的な自信がある。
* * *
電話で少し話しただけで、会って食事するだけで、お互いに幸せな気持ちになれるんだ。
必ずそうなれるさ。
季節は必ず変わる。