終わってしまったぁ…
という感想を何よりもまず最初に漏らしたという、この日の対バンHEY-SMITHの猪狩君とまさしく同じ感想、終わっちゃたなぁというのが、本当この特別な日の率直な気持ちです。
そして、
思い込み、決めつけはあかんなぁ…
というのも個人的な少し物悲しい感想です。
何を思い込んでいたかというと、アリーナ会場のブロック指定の場所についてです。
そもそも、このTHE GIFT TOUR、先行で申し込んだり、発売日にトライした全てのチケットが、ものの見事に全全全部外れ、まったく取れなかった自分は、やはりどうしてもこのツアーのLIVEが見たくて、いや、実は90 ~2000年代のHi-STANDARDのLIVEを見たことがない、といいますか、ツアーでのハイスタのLIVEを恥ずかしながら1度も見たことがなかったわたくしは、大阪からの遠征を決意し、公式チケットリセールのサイトを頻繁にチェックしまくり、幾度となくリセールでの出品を見かけた新潟か北海道かで迷った挙句、HEY-SMITHが対バンということも自分にとってかなりの決め手として新潟に照準を定めたところに、タイミングよくアリーナスタンディングCブロック1枚のチケットが出品され、これだっ!と、興奮とともにすぐさま購入しました。
Cブロック、これは単純に前から横だけに区切られたブロック分けだとしても3番目、もっと細かく縦横分けられてたりなんかしたら、下手したら最前ブロックの可能性もあるんじゃないかぁ~?!…
なんて期待に胸を弾ませながら待つこと1ヵ月、ついにその日を迎え、新潟に乗り込み、開場待ちの誘導に従い、指定された待機場所に行くと、何かがおかしい。
普通ならA,B,C…と待機してそうなものが、Aの次にCとなっている。
ん?どういうこと??
そして、普通のアルファベット順で入場していくなら、まずAブロックから入っていくであろうに、一向に会場へ誘導される気配がなく、寒空の中、外で待機を命ぜられる我々A,Cブロックの数百人。
他のブロックは会場まわりの別の場所からそれぞれの入場で、その様子をうかがい知ることはできない。
すると、まわりの人たちもこれは何か様子が変、おかしぞということを察知しだして、携帯片手にあれこれ調べる始めるや、驚きから、落胆や、ため息が漏れ始める。
僕はそんな周りの声がめちゃくちゃ気になるものの、意識的に聞かないように遠ざけながら、冗談だろ、嘘だと言ってくれ、何かの間違いであってくれと一縷の望みをかけ、待つこと、17時の開場から30分は経ったであろうかという頃にようやく入場。
するとそこには…
現実が突き付けられていました。
まわりから漏れ伝わってきていた噂は本当でした。
前の方どころか、後方も後方、後ろから2番目のブロックだなんて。
これは激落ちしました、マジで。
なんのためオレは新潟まで来たんだ…それぐらいまでに。
前の方だとばかり決めつけ、その心づもりで脱水症状にならないために水分の準備や、携帯が水没状態にならないようにジップロックに入れ、搾れるほど汗だくになるだろうから、帰り風邪をひいてしまうおそれもあるので着替えに薄手で軽めのロンTを持参して…などなど、自分の今までのカオス状態でのLIVE経験をフルに活かして、用意周到さをいかんなく発揮させるつもりが…
まぁ勝手な思い込みとは怖いものです。
これは、というか、これもHi-STANDARD流のチケットの転売対策なのかなぁ?なんてことを思います。
前の方のブロックが高額で転売されたりすることがないように、そして、逆に後ろの方だと思っていた人たちにとっては会場に来てのサプライズや喜びがあったり、と、そうLIVEに来るまでお楽しみが残されてもいるというわけです。
LIVEとは、見る側も、もちろん演る側も用意周到にはいかん、ということですかね。
あ、そう今回の新潟、朱鷺メッセはこれだけ細かくブロック分けしないとオールスタンディングのLIVEができなかったようなことを、難波さんがMCで話しておられました。
かなり厳しい制約があったみたいで、そういえば前のブロックとの通路幅が相当広めにとられてるなぁ、など思っていたんですが、開催にこぎつけられたのは奇跡的だったみたいで、今後の朱鷺メッセでのLIVEに風穴開けれたんじゃないかということでした。
少し話は戻りますが、僕はLIVEでは出来得る限り肉眼で表情が見えるところまでには行きたい、スクリーンのある会場でも極力画面を通してではなく直に見たい、それこそがLIVEに来ている意味、醍醐味だ、ぐらいのモットー?いや主義?ん〜願望かな、がありまして、ま、ただこれは、ライブハウスでのLIVEやフェスでの場合が可能であり、今回のようなアリーナでのブロック指定でのオールスタンディングではそれはある程度チケットの運しだいなわけですが、Cブロックならこれはクリアできるだろう!と勝手に思っていたわけです。
それがまさかの豆粒とまではいきませんが、ほぼスクリーンを通してでしか表情はおろか、動きすら見えない時もあるという、背伸びしまくり状態で見ることになるとはこれっぽちも予想しておらず、一気に力が抜けたというか、みなぎりを失ってしまい、半ば茫然自失的な状態、立ち直れないままHEY-SMITHのLIVEを迎えました。
ここまで来たからには楽しんだもん勝ち…とは分かっていても、心の底から楽しみきれてない自分もいました。
HEY-SMITHのLIVEは、ハイスタと対バンできる喜び、感慨深さを噛みしめながら、自分たちのPUNK ROCKをブチかましてる、そんな印象でした。
僕がこの新潟公演を選んだ理由の1つに、HEY-SMITHが対バンだからというのが相当なウェイトを占めているほど大好きなので、もちろん楽しかったし、そして感慨深くもあったんですが、元来引きずる性格ということもあり、やはり正直100%心の底からハジけてマザれたかというと、そこまで乗り切れずでした。
熱量が距離を超えてこなかったというか、前におそらく8000人ぐらいはいたことを考えるとそれもいたしかたないのかもしれませんが、メーターが振り切れるほどまでには僕の心の奥の方までには届いてきませんでした。
ただ、僕は今の10代20代の若者たちに対して常々思っているのが、THE BLUE HEARTSにも、Hi-STANDARD(90~2000年代)にも間に合わなかった世代、リアルタイムで体現できなかったそんな君たちにはHEY-SMITHがいるじゃないか!と。
次のPUNK ROCKシーンの先導者、そのようにさえ思ってるしだいなバンドです。
前段が相当長くなりましたが、そしてHi-STANDARDの登場です。
超えてきました、空間を。
それも軽々と。
メインアクトだから当たり前といえばそこまでですが、これはそういった次元では言い表せない、パワーであったり、エネルギーが、いわゆるLIVEマジックとなり、距離、時空、次元、そして、まさしく文字通り世代を超えて"ALL GENERATIONS"に響きまくっていた、そんな印象を強く受けました。
そういえばLIVE前、先にも書いた外で入場待ちしている際に、「LIVE20年ぶりやぁ」なんて声が聞こえてきたりもしました。
そして、LIVE中にはファミリー指定席の子供たちとのコール&レスポンスもあったり、難波さんのお子さんもステージに登場したりと、ほんとに世代など関係なくHi-STANDARDのLIVEを思い思いに楽しんでいるといった感じでした。
そして、僕がより思ったことは、新曲、ニューアルバムの曲がめちゃくちゃ届いてるなぁということです。
そう、それはすなわち、今のHi-STANDARDが昔からのファンは何より、新しく知ったKidsにも隔たりなく、もの凄く響いているなというのが、新曲、特に"The Gift”が披露された時のリアクションなどで肌で感じました。
過去の遺産、伝説的なバンドというのではなく、現在進行形のバンドとして求められているというのがビンビン感じられるLIVEだったのです。
もちろん、元祖Kidsには感涙物の1st『Last of Sunny Day』からまさかの"WHO'LL BE THE NEXT"が聞けたり、過去のLIVEでもほとんどやったことがないという"THIS IS LOVE"が披露されたりと、ご本人、健さん曰く
「新旧の曲を織り交ぜてやれて、俺たちもなんかめっちゃエモい感じだよ」
といった内容のことをMCで伝えてはりましたが、知ってる者にとっては古い曲はもちろんエモくもあるわけですが、むしろ古い曲はあまり詳しくないけど、ニューアルバム『The Gift』からの曲がPLAYされた時によりLOUDに喜んでいる比較的若い世代の子たち、そんな光景が僕のまわりでは結構見受けられ…前方ブロックの方のことは分かりませんが、ってしつこい??
いや、おそらく前方はどちらも超絶エグイことになってただろうと思いますが、話は戻って、そんな若い世代にも今のHi-STANDARDの楽曲が浸透しまくってるということも、なんだかとてもエモーショナルで、ハイスタはマジ、日本のローリング・ストーンズみたいになってくれる、50代、60代になってもロックし続けてくれ、僕たちをいつまでもエキサイトさせてくれる、そんな存在になるとLIVE後本当にそう思いました。
そして、遠い過去の記憶も甦って来ました。
高校生の時初めてTHE BLUE HEARTSを大阪城ホールで見れた時、2階スタンドの遠い席、それもスクリーンもなかったように思うのですが、それでも大興奮したあの時の記憶が。
そう、PUNK ROCKは飛び越えてくるんだと。
脳天に、
心に、
直撃で。
次の日も夜まで新潟滞在で、1日自由だった、というか、時間を持て余していたんですが、その珍道中?は次のブログに書くこと、にしようかな??
…で、その道中というか、その次の日も計2日間、何も音楽を聞きませんでした。
普段は移動の際などは必ず音楽を欠かすことはないんですが、なんか脳内に何も入れたくありませんでした。
ハイスタの曲さえも。
正規というのかな?CDの曲を聞いてしまうと、ずっと頭の中でリフレイン的に、鳴り響いているLIVEの余韻音が、なんだか薄まってしまうような気がしたりして…。
脳内ハイスタLIVEミュージックだけで2日は浸れました。
さすがに3日目には、音源が聞き返したくなり、CDからの楽曲を聴きましたが。
あ、逆も、というか、LIVEでは、演奏曲終わりに、CDの曲順通りの次の曲が脳内に流れて来ることもあります、よね?!…話それましたが。
難波さんが地元新潟の夕日の美しさをみんなにも見て欲しかったなぁ、とLIVE当日は雨だったため、悔やんではったんですが、明日もし見れる人はぜひおすすめ、といったようなことをおっしゃた、ように思うんですが…ちょっと記憶が自信ないです。
興奮状態過ぎると記憶が飛び飛びになってしまったりとかあります、よねぇ?
で、次の日、昨日とは打って変わって本当に良い天気で、
見れました!新潟、日本海に沈む夕日を。
もちろん脳内には"BRAND NEW SUNSET"昨日のLIVE余韻ミュージックVer.が流れ、なんだか涙もほんの少し流れ…そうになりましたが、せき止めました。
LIVEでは、その後、急遽?だと思われる耳打ち的な打ち合わせがあってからの、最後に特別にもう1曲"MOSH UNDER THE RAINBOW"が。
半端ない一体感、ほんと何度も言いますがこれぞ"LIVEマジック"!だというおそらく1万人ほどの人間全員が笑顔の空間、これは、最早ブロックだ、アリーナだ、スタンド指定席だなんていう垣根もすっ飛ばす、凄い、難波さん風に言うとマジ"半端ねえ"LIVEを見れて、本当に大阪から遠路はるばる新潟まで遠征することを決断して心から良かったなと思いました。
ただ、
ただ、
ただですが、
できるなら、もう1度、今度こそは混沌の前方ブロックの中でも見てみたい!!
その願いも、たとえこのツアーでは無理だったとしても、いつかは叶うんじゃないだろうか、
なぜならHi-STANDARDは現在進行形のバンドなのだから!!!