先日、北鎌倉の「浦野康夫ギャラリー」に行って来ました。
浦野康夫氏は写真家で、その作品は大手新聞社により立派な写真集も発刊されています。しかし、残念ながら１２年ほど前に故人になられました。
今は北鎌倉で、YTSU (ワイ・ツー）というギャラリーで、奥さんがご主人の遺作の展示会を開催（不定期開催）しています。展示の写真は風景写真が中心ですが、その殆どが横浜かその周辺の写真で、モノクロとカラーで撮影されています。
ギャラリーの全景
横浜は、「みなと未来」を始めとして、土地造成、マンション建設等々により、都市化が急速に進んで来ましたので、１０年以上前の景色が写真として残されている事は、大変貴重な資料に成っています。
もう一つ、同氏の写真家として異色な点は、それらの写真が「べス単カメラ」のレンズを外して、現代のペンタックスカメラにはめ込み撮影されている事です。
ドイツ製「ピコレット」
コダック社の「ベス単」の改良機
べス単カメラ（愛称 べス単）とは米国コダック社が１９１２年製造の単玉レンズ使用の蛇腹カメラです。４センチ×６．５センチ版の銀塩フイルムを使用します。
ベス単カメラの単玉レンズで風景などを撮影しますと、シャープな写真ではなく、少しボケた写真に成ります。先生はこのボケ味を大変気に入られて、現代の銀塩カメラにべス単の単玉レンズを取り付けて撮影されたわけです。
その先生の流儀を継ぐ人達もいます。デジタルカメラのレンズをはずして、ミクロン単位の小さな穴を開けた銅版を取り付け風景などを撮影しています。現代版「針穴暗箱カメラ」ですね。
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