◆大容量ハードディスク開発の挑戦 | 真空管のアナログ世界に魅せられて

真空管のアナログ世界に魅せられて

「温故知新」と言う言葉が有りますが、真空管は将にそんな存在だと思います。真空管を今では知る人も少なくなりましたが、デジタル全盛の今でも、真空管のアナログ技術を学び、真空管ラジオを楽しむ人は沢山います。私もその中の一人です。真空管を愛しむ想いで・・・・。

今回は、いつもお世話に成っているパソコンに内臓されている「ハーディスク」に付いて簡単に解説します。


私の、ノートパソコンには、100Gのハードディスクが付いています。皆さんのパソコンは何ギガでしょうか。160ギガのが付いているかもしれませんね。


このハードディスクの容量が大きいほど、沢山のデーターが保存できます。デジカメのメデイァが大きいほど、沢山の写真が撮れます。その関係と同じです。


将来、ハイビジョン放送を録画しようとすると、画像には膨大な情報量が有りますからハードディスクもそれに比例して大きな容量を必要とします。


★ハードディスクの容量を増加させる為には、


   1.回転する円板とヘッドの距離を少なくする。

   2.記録方式を変更する。

   3.高性能のヘッドを開発する。


の3つの方法が有ります。


1.は、距離に反比例して容量が増加します。


2.の記録方式は、円板の記録方向を横方向から縦方向に変える。(垂直記録方式)


3.は、新技術のヘッドに変更する方法も有効です。


しかし、1.のヘッドと円板の距離を少なくする方法は、これ以上少なくするとヘッドと円板が接触します。残された方法は(現在では)2.と3.の方法だけです。


2.の記録方式を変える方法は、回転する円板の厚み方向に記録する方法で、飛躍的に記録容量が増加します。


今日の 「IT media News 」を見ていたら、日立GST社が、垂直記録方式と、新ヘッドのGMRヘッドを組み合わせて、1T(テラ)バイトを超える3.5インチハードディスクの開発に目途を付けたと書かれていました。


記録単位の 1ギガ×1000倍=1000ギガ=1T(テラ)ですから、私のパソコンの10倍の記録容量に相当します。


しかし、世に出すためには、量産技術を確立して値段を安くしたり、信頼性を向上させなければなりません。今後、エンジニアの苦労がしのばれます。


垂直記録方式は、次世代記録方式のハードディスクとして開発済です。今回の日立GST社は、最先端技術の組み合わせで超大容量のハードディスクの開発の目途を付けた訳です。


私は、過去にハードディスクの製造に携わっていた経験がありますので、敢えて書かせて頂きました。