【 「仏教と戦争」 今枝由郎 】
「図書」 2013年7月号 岩波書店に掲載
先日、書棚を整理していた折に何気なく手に取った岩波の「図書」2013年7月号…
ページをめくると今枝由郎先生の「仏教と戦争」という4ページの文がありました。
こちらの冊子を頂いた2013年に一度読んでいる筈なのですが、あらためて読みますと胸にくるものがあり、ああ、この文章は今こそ多くの皆様にお読み頂けたら…と思いました。今枝先生にご許可を頂きましたので、こちらに「仏教と戦争」全4ページを掲載いたします。
「仏教と戦争」には2003年末のブータンの軍事行動の経緯が記されております。
私たちにとって今はとても大切な時期なのでは…と最近よく思います。今までのような 見て見ぬ振りが通用しなくなるのではないかと思うのです。経済を優先し、人の命をないがしろにしている方々に大きな利益がもたらされるような状況を作り続けてきた結果が今の世界の問題の原因なのではないかと感じております。
ブータンの2003年の軍事行動の際のご判断は特殊なお国だからできたことだとお思いになられる方もいらっしゃるかと思いますが、今、私たちと同時代に存在する方々があのような追い詰められた状況においても人の尊厳を踏みにじらないご判断をされた事実はとても重いと感じます。今枝先生の「仏教と戦争」をお一人でも多くの方々にお読みいただき、お読みになられた方々のお心に微かであっても何かが残れば…と思っております。
今枝由郎先生はチベット歴史・文献学の第一人者でいらっしゃいます。現在は京都大学の特任教授をおつとめです。今枝先生のご経歴をご紹介いたします。
1947年、愛知県に生まれる。1974年、大谷大学卒業、フランス国立科学研究センター(CNRS)研究員となり、1991年より研究ディレクター、2012年に定年退職。1981年から1990年まで、ブータン国立図書館顧問をつとめる。1995年、カリフォルニア州立大学バークレー校客員教授。専攻はチベット歴史・文献学。パリ第七大学国家文学博士。
「仏教と戦争」はこの後に同じタイトルで増幅されたものが2017年に発表されました。こちらの掲載につきましても今枝先生にご許可を頂いておりますので、整理が出来次第ご紹介いたします。
【「仏教と戦争」 今枝由郎】
