最近のダイアモンドの値上がりのお話はもう皆様のお耳には届いておりますでしょうか?
ダイアモンドの値上がりに関してましてはコロナなどによる世情不安、
或いは戦争などが起因ではなく、
このような社会の動きに利用してダイアモンドを値上げしてしまおうとしている
組織の思惑が大きく絡んでいます。
ですから地金相場の上昇とダイアモンドの価格上昇は
性質がどうも違うらしいとのことです。
私は1969年生まれ、現在52歳です。
私の若い頃は海外ブランドの商品にはそれぞれのブランドならではの個性がありました。
各ブランドが手仕事の粋を尽くして作り上げたそのブランドならではの
個性溢れるお品に魅了されたことを思い出します。
年齢を重ね、いつか買える時がきたらぜひ…と、若かった私は夢見たものです。
いざ購入できる年齢になった頃には、ブランドは変質してしまい、
お品物はかつての魅力を失っており、愕然と致しました。
私の同年代、或いは私よりも目上の方々であったらお心あたりがございますことでしょう…
この現象はブランドを統括する巨大資本の影響です。
巨大資本に束ねられたブランドは各々の個性を失い、
生産拠点を第3国に移したことで品質が下がり、
ブランドは個性を失い、似通ったお品を作るブランドばかりになりました。
その反面価格は上昇し続けています。
巨大資本のCEOが仰った言葉を私は忘れることが出来ません。
「私たちの未来には値上げしかない。」なんということを仰るのだろう…と
愕然としたものです。
この言葉をお聞きしたあたりを境に
私はブランドでのショッピングをすっかりと止めてしまいました。
こんなことを仰る方々からお買い物をなさりたい方々は今後は減少していくだろう…
と思っておりましたが、
アジアの国々の経済成長、また日本国内ではかつてのブランドの品質をご存じない
お若い世代の方々などの購買によりブランドビジネスは廃れることが無いようです。
それほど価値のないお品にリセールバリューを付けてお品を価値あるものに見せるなど、
ブランドの戦略は巧妙で、広告やSNSなどを巧みに活用し
このような目論見は頓挫することが無いようです。
同じく販売の立場にいるものとして、
そのような売り方にものを申しますことには心して口を噤んでまいりましたが、
そろそろそれではいけない頃かも知れないとも思うようになりました。
ブランドでのお買い物に心ときめく方々も多いこととお察しいたします。
しかしながらこの度のダイアモンドの価格上昇には、
そのようなブランドビジネスの仕組みが深く関わっています。
この流れが崩れない限り、私たちは価値の低い品に多くの金銭を支払い続け、
本当に価値のある良いものは私たちには決して手に入らないような存在になっていく…
このようなことが日に日に現実となっていくことでしょう。
皆様のお心がブランドに向かれる一因として、
私どものような小さな店がブランドの品よりも魅力を感じて頂けるお品を
ご提案出来ていないことがございます。
一見地味に見えても、心を込めて丁寧に作られている、
価格と品質が見合ったお品物にお心を向けてくださるお客様が
御一人でも増えますように努力を続けてまいりたいと思います。
なんでもかんでもが投機の対象になるような現象からは距離を置くべきです。
本当に良いものをご提供させて頂けますように今一度姿勢を正したいと思っております。
写真はレソト産のFancy Vivid Yellow Diamond、VVS1、ポリッシュVery Good、
シンメトリーVery Good、蛍光性無し、重さは0.5ct台です。
このお石はオーストラリアのアーガイル鉱山がレソトの原石を購入し、
GIAに持ち込んだ上でGIA管理下で研磨されたお石です。
このお石はそのような事情のお石なので原石の№も分かっております。
これらの情報はGIAの鑑定書に全て記載されています。
アーガイル鉱山は他の鉱山の原石を購入することもあるのですね…
こちらのお石のことや、この度のフェアのことにつきましては
次の記事にてお知らせいたします。
ありがとうございます。
ご売約でございます。

