このお話は水たまりに住む一匹の寝ぼすけガエルと???の芽との
ちょっと心和むお話です。
第八話 スケッチ
ふたりは今日もおでかけのようです。
カエルさんは上機嫌でスキップしながらどこかへ向かっているようです。
「ルンルンルン♪今日もいい天気だなぁ~。」
よく見るとカエルさんはなにやら大きなカバンを持っています。
「ねぇねぇ芽さん。やっぱり芽さんの花はいつみても綺麗だね♪」
カエルさんがそう言うと、芽さんはいつものように恥ずかしそうにクネクネしました。
そんなこんなでおしゃべりをしているうちに澄みきった湖へとたどり着きました。
「ここでいいかな。」
カエルさんはよいしょっとカバンを置き、そして湖のほとりにちょこんと座りました。
そして、カバンの中からスケッチブックと鉛筆を取り出すと芽さんにこう言いました。
「今日は絵を描きにきたんだよ♪ここだったらきれいな絵が描けそうだから。」
芽さんはコクッとうなずきました。
「芽さん。絵が完成するまで見ちゃ駄目だよ。おいら絵はへたっぴだから恥ずかしいんだ。」
カエルさんはそう言うと澄みきった湖のほとりを眺め絵を描きはじめました。
芽さんは見ないように葉っぱで目をふさいでいました。
カキカキカキ……。
カエルさんが絵を描きだしてから少しの時間がたちました………。
「できたぁ~!!」カエルさんの絵が完成したようです。
カエルさんは満足げにそして少し恥ずかしそうに芽さんにその絵を見せました。
「芽さん。見て見て。きれいでしょ?」
芽さんはカエルさんの絵を見てびっくり仰天!
そのキャンバスには澄みきった綺麗な湖が描かれているかと思いきやカエルさんが描いていたのはなんと芽さんの絵だったのです。
「芽さん。どう?へたっぴでしょ?」
カエルさんがそう言うと芽さんは首を横に振り、上手だよと言っているかのように嬉しそうに葉っぱを広げて喜びました。
「なんだか芽さんのきれいな花を見てたら芽さんを描きたくなったんだ♪」
カエルさんは恥ずかしそうにそう言いました。芽さんはカエルさんの絵がとても嬉しくて何度も何度も絵を眺めていました。
「そうだ!!この絵は家に帰ったら飾っておこうよ!」
湖のほとりで食事をすますとふたりは家へと帰りました。
家へ帰ると、さっそくその絵をベッドのそばに飾りました。
「う~ん。やっぱり芽さんの花とは似ても似つかないや。芽さんごめんね。」
カエルさんはあまり自分の描いた絵に満足してませんでしたが、芽さんはとても満足そうに長い間その絵を眺めていました。
カエルさんの絵。
あまり上手ではありませんが、
とても気持ちのこもった絵ですね。
…つづく
お話の続きは、来週の月曜日、3月27日公開予定です。どうぞお楽しみに。(笑)
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