このお話は水たまりに住む一匹の寝ぼすけガエルと???の芽との
ちょっと心和むお話です。
第五話 つぼみ
ある日の真夜中。今夜はとても蒸し暑い夜。
カエルさんはふと目を覚ましてしまいました。
カエルさんが目を覚ますと、芽さんの様子がなんだか変でした。
とても苦しそうに体をくねくねとよじらせています。
カエルさんはあわてて飛び起きました。
「芽さん！！どうしたの！？」 芽さんは苦しそうにしています。
カエルさんは大声で助けをもとめました。
「誰か～っ！
誰か助けて～っ！！」
……しかしこんな真夜中。誰も助けにきてくれるはずもありません。
カエルさんはもうどうしていいかわからずにわぁ～んわぁ～んと泣き出しました。
「わぁ～ん！わぁ～ん！芽さん死なないで！！誰か芽さんを助けてください！」すると、ちょんちょんちょん。
芽さんがカエルさんの頭をつつきました。
カエルさんは涙を拭い芽さんを見上げました。
「………えっ？」
カエルさんはとても驚きました。
なぜなら、芽さんにつぼみが出ていたからです。
「芽さんの頭につぼみが出てる！！」カエルさんはびっくりしたと同時に喜びがこみ上げてきました。
「すご～い！芽さんにつぼみが出たぞ！つぼみが出たぞ～！！」
カエルさんは悲しみから一転、嬉しくてピョンピョンと飛び跳ねて喜びました。
そして、カエルさんは言いました。
「でもでもおいらとっても心配したんだよ。芽さんが死んじゃうかと思ってとても怖かったんだよ。とても悲しかったんだよ…。」
芽さんはコクッと頭を下げてカエルさんに謝りました。
「でも、今日あらためて芽さんの大切さがわかったよ。
芽さんはおいらにとってとてもとても大きな存在なんだなって！
それと芽さん、つぼみが出てよかったね♪
心からおめでとう…。」
カエルさんは顔を赤らめながら言いました。
芽さんはカエルさんの『おめでとう』の言葉がとてもとても嬉しくて
葉っぱを大きく広げて喜びました。
そして『これからもよろしく』と芽さんもカエルさんにペコリと頭を下げました。
ある日の蒸し暑い夜のこと…。カエルさんと芽さんの喜ぶ声が
いつまでもいつまでも
きれいな夜空に響き渡っていました…。
…つづく
お話の続きは、来週の月曜日、3月6日公開予定です。どうぞお楽しみに。（笑）
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