このお話は水たまりに住む一匹の寝ぼすけガエルと???の芽との
ちょっと心和むお話です。
第四話 お願いごと
澄み切った夜空に燦々と無数の星々が輝いています。
カエルさんと芽さんはそのきれいな星空にたそがれているようです。
「きれいだなぁ~。おいらこんなにきれいな星空を見たのははじめてだよ。」
カエルさんは目を輝かせて言いました。
芽さんもキラキラ輝くその星々にみとれている様子です。
星空にみとれているカエルさんと芽さんのところへ
夜行性の両生類、サンショウウオじいさんがやってきました。
「ふぉっふぉっふぉっ。
そこの頭に芽が生えたカエルの坊や。
そんなところで何をしているのかい?」
サンショウウオじいさんがそう訪ねてきました。
カエルさんは答えました。
「あのね。おいらと芽さんはこのきれいに輝く星たちを見てるんだよ。と~ってもきれいだからずっと見てても飽きないんだ。」
「ふぉっふぉっふぉっ。そうかいそうかい。
今日の星々はいつにもまして一段ときれいじゃからの~。
わしも子供の頃は君たちのようによく星空にみとれておったもんじゃよ。」
サンショウウオじいさんは立派にのびたあごヒゲをさわりながら言いました。
「…ところで坊や。流れ星というものを知っとるかい?」
「流れ星?」カエルさんと芽さんは首をかしげました。
「流れ星って何?」
カエルさんが訪ねるとサンショウウオじいさんは言いました。
「流れ星とはの~、この夜空に輝く星々が力つきて儚く散っていく様子を流れ星というんじゃよ。なんでもその流れ星に3回願いごとをするとその願いごとが叶うと言われているんじゃ。」
「へぇ~。願いごとが叶うなんてすごいなぁ~。」
カエルさんはとても興味深々な様子です。
その時。…………キラッ!!
澄み切った夜空に一瞬なにかが光りました。
カエルさんと芽さんは驚いて夜空を見上げると
そこにはなんと無数の流れ星が流れていました。
とても幻想的な風景です。
「わぁ~!すご~い!!
きれいだな~。」
カエルさんと芽さんはそのきれいな流れ星に目を輝かせました。
「あれが流れ星じゃよ。
いつ見てもきれいじゃの~。
しかし、こんなにも無数に流れる流れ星はめずらしいぞい。
ふぉっふぉっふぉっふぉっ。」
サンショウウオじいさんは愉快に笑いました。
「あれが流れ星って言うのか~。とってもきれいだね。」
カエルさんが嬉しそうにそう言うと、芽さんも嬉しそうにうなずきました。
「さあ。さっそくお願いごとをしようよ!」
カエルさんと芽さんは手をあわせて流れる星々にこうお願いごとをしました。
カエルさんは『芽さんとず~っとずっとともだちでいられますように。』
芽さんは『カエルさんと少しでも長く一緒に過ごせますように…。』
と、それぞれ願いを込めて流れ星にお願いごとをしました。
お願いごとをした後、カエルさんと芽さんは顔を見合わせ
とても満足そうに嬉しそうにニッコリしました。
「ふぉっふぉっ。よかったのぉ~坊やたち。」
サンショウウオじいさんはカエルさんと芽さんの頭を撫でると
やさしく微笑みながら帰っていきました…。
おじいさんが帰ってからもふたりはずっと星空を眺めていました。
そして、ふたりともいつの間にかそのままスヤスヤと眠っていました。
きれいに輝く星空の下、カエルさんと芽さん。とってもいい寝顔です。
今夜はいい夢が見れそうですね…。
…つづく
お話の続きは、来週の月曜日、2月27日公開予定です。どうぞお楽しみに。(笑)
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