岡安譲
「そうかー」
青山繁晴
「はい。だから実は、アメリカが日本を裏切ってて、その裏切った原因がアメリカから見たら日本側にあると。なぜ竹島を黙ってそのままにしてきたのかと。じゃあアメリカとしては韓国と手を組むしかないじゃないかと。これが僕らが一番この、いわば地味な、理系の学会から学ぶべきことなんですよ。これ理系・文系関係なくですね。そしてこういうアメリカに対抗しようとしてる人は、他にはいるわけです。例えばこの人です」
青山繁晴
「はい。これ皆さんご存知の、ロシアの実力者、プーチン首相なんですが、これロシアの研究発表、これあの、こういうの、これ、とても学者に見えないでしょうが、これ学者たちなんですね(笑)。学者じゃない人も含まれてますからね。あの、例えば産業界の人とか。これあの、湖で、バイカル湖で、その、メタンハイドレートの研究やってんですが、そこにわざわざプーチンさんがやって来て、これも、これ見えますか?白い結晶状の、これも、あの、かなり質が良いものです。メタンハイドレートがすでに結晶になってるやつを、プーチンさん実際に手に取ってるんですよ。これ僕びっくりして、そのロシアの研究者にですね、あの、来る人は全部英語できますから、これ僕びっくりして、そのロシアの研究者にですね、あの、来る人は全部英語出来ますから、プーチンさんが来たの、すごいですねと言ったら、ロシアの研究者はほんとに顔がほころんで、そうです、我がロシアはやっとメタンハイドレートの余地に気づいて、プーチンがやって来てくれたんだと言ったんですよ。そのあとに、日本の研究者と話したら、日本側の研究者は、いや、青山さん、ロシアは、ちゃんと普通の天然ガスとかそういうものがあるんだから、メタンハイドレートのような次世代のものにわざわざ関心持ちませんよ、プーチンさんが来たのは何か遊びか冗談じゃないですかって言われたから、それ真剣におっしゃったから、僕はびっくりしたわけですよ。それは、いわば理系の科学者だからしょうがないっていうふうに今まで日本社会では今まで言ってきたけど、そんなこと言ってる場合じゃない、理系とか文系とか同じ日本国民を分けるのをやめて、ちゃんと統一した国家観を持って、プーチンさんが遊びや冗談でバイカル湖にわざわざ触りに来ますか?だからロシアも天然ガスだっていずれ枯れる、次はメタンハイドレートだと分かってるから来るんであって、そして日本海はロシアにも面してるってことを皆さん分かっていただきたいんですね。そしてこうやって見てきますと、実はもう一つの大物、中国は一体どうしてるんだってことになるでしょ?そして中国はこういう発表をしてます。はい、出して下さい」
青山繁晴
「はい。これ中国の、この人も有名人ですけど、研究者なんですが、これ、すみません、これも僕の携帯で撮ったやつで、ちょっと画像は見にくいかもしれないけれども分かるでしょ?」
青山繁晴
「これ日本海じゃないですね、これベトナムですね。中国の海南島ですね。これ南シナ海ですね。すなわちこの『アンカー』でもお話しした通り、戦争の恐れが、あれからずいぶん情勢は動いて、ベトナム、やや妥協的になってるように見えるけれども、依然として戦争のリスクはあります。その紛争地の南シナ海をズバッと出してきて、この南シナ海全体は自分たち中国のものであって、そしてここのメタンハイドレートを、私たちはしっかり実用化していくんだってことを」
山本浩之
「あ、南シナ海にもメタンハイドレートたくさんあるんですか」
青山繁晴
「たくさんあります。だからこれ『アンカー』で言わなかったかな、だから旧来の、そのガス田だけじゃなくて、ほんとは次世代のメタンハイドレートを争って、中国やベトナムやフィリピンの争いもあるってことなんです。そしてこういうことを全体踏まえて考えると、実はこの地図に注目してほしいんですね」
山本悠美子
「こちらはアジアのメタンハイドレートの分布図、になります」
青山繁晴
「はい。これはね、あの、日本の、あの、政府系の団体から、こういうの出てるわけですけど、これほんとは分布図じゃないんですよ。これはいちおう調査したことある図、であって」
一同
「ああー」
青山繁晴
「例えば日本海のこの辺抜けてて、あるいは私たちの北方領土、その北千島、全部私たちのもんですよ、本来は。そして樺太の半分、日本のものですけども、本来は。この辺りもずーっとメタンハイドレートが、間違いなくあるわけですよ。調査してない、あるいは日本海のこの部分は調査してないっていうだけであって、本当はもう日本国全体をこれ全部くるんでるだけじゃなくて、こうやって南シナ海も、そしてインド洋の所も、そしてアラビア海からペルシャ湾も、この地図にないけれども、ずっとメタンハイドレートがたくさんあるわけです。だから今回の学会で、あの、もう一つびっくりしたのはですね、たとえばペルシャ湾挟んでイランとか、それからアラブ首長国連邦も発表に来てるんです。今まで見たことないです。ね。だから世界でもすでに次世代のエネルギーであるメタンハイドレートに目が向かってるんですよ。そして皆さん、こうやって話してくると、要するに日本はダメダメダメ、ダメばっかりじゃないかってことになるでしょ?違います、最後に見て下さい。この前半の最後に見て下さい」
山本悠美子
「ICGHでの研究発表数、第1位が日本の56」
青山繁晴
「はい。これは、単に数だけじゃなくて、公平に見て、中身も、あの、こういう番組ですから、中身の細かい、その、数字の話はしにくい、あるいは化学式の話はしにくいけれども、僕だけじゃなくて、さっきその、絵にも映ってた自然科学部長やあるいは同行した研究員、うちの研究員ですね、みんな実は、あの、ま、正直僕は風邪引かなかったけど、みんな風邪引いてしまったんですよ、寒いから」
山本悠美子
「寒すぎて、はい」
青山繁晴
「でも風邪引きでグシュグシュ言いながら、いや、日本の研究発表はやっぱりすごいという客観評価をしてました。数でもトップ、中身でもトップ。日本がダントツに、メタンハイドレートの研究開発ではトップを走ってて、そして、埋蔵量も、そして埋蔵されてるメタンハイドレートの質も、日本海を中心に世界最高なのに、何が遅れてるかというと、予算がほとんど付かないんですよ、特に日本海側。太平洋側は、たくさん、あの、数百億円付いてますけれどね、全部合わせると」
山本浩之
「ああ、出てましたね、報道で…」
青山繁晴
「未だに予算が付かないから、僕らさっきの地図で言うと、佐渡島の南とか、つまり新潟の目の前、あるいは直江津の目の前でずっと、メタンハイドレートの研究開発をやってて、そこを拠点に、竹島の方にも出て行こうとしてるんですが、そもそも予算が付かないから、さっきのカメラの話じゃないけれども、もう四苦八苦してるってのが現状なんですよ。だから、例えば韓国はそれを見て、韓国の発表の中にあったのは、2014年には、日本海、じゃなくて、彼らに言わせると東海の、ほんとは日本海ですよ、東海のメタンハイドレートを実用化する、2014年ですよ」
山本悠美子
「3年後ですか」
青山繁晴
「もう3年後ですよ。ね。だからそこまでやって来てる。で、その時に例えば日本の技術をこう盗ろう盗ろうとしてて、アメリカも使って、日本の技術も盗ろう盗ろうとしてると。だからそれも要注意ですよ。今後、国際連携のきれいな名のもとに、日本の技術が盗まれる、今の中国の新幹線の二の舞にならないように、しなきゃいけない、ことも言えます。ただ、あくまでも日本がトップであるという誇りを、まず持って、僕らは、あの、仕事のやり直しをしたいと思うんですね。で、その上で後半はですね、今日の後半は、私がもう1カ国訪れたフランス、の様子を通じて、その福島原子力災害の関連の話をしたいと思うんですが、その後半のキーワードはこれです(フリップ出す)」
山本悠美子
「ここでズバリキーワードは、『自分で確かめよう』。青山さんが、フランスで確かめたものは何なのか。CMのあと、詳しく解説していただきます」
(いったんCM)
山本浩之
「フランスで分かったこと、それは何でしょうか。続きをお願いします」
青山繁晴
「はい。皆さんもうお気付きかと思うんですけれども、福島原子力災害が起きたら途端に、日本とフランスの関係がずいぶん変わりましたね。今これサルコジさんていう大統領映ってますけど、サルコジさんほんとは日本嫌いで、ある程度知られてるんですよね。ところが日本にやって来て、日本にニコニコしましたね。その理由というのは、この福島第一原発のこの収束に、フランスの技術を使ってくれと。そして日本は何と契約がない状態で、お願いしますと言ってしまったってことありましたね。それについて実は『アンカー』でこれやりました。出して下さい」
山本悠美子
「『アンカー』の6月22日放送分の内容です。福島第一原発『汚染水の処理費用』について、フランス政府高官によりますと、『処理するシステムは、アレバだけじゃなく、アメリカのキュリオン社や、日本の東芝・日立・日揮が参画している。支払われる額のうち、我々は10%しか受け取らない予定だ』」
青山繁晴
「はい。えー、このフランス政府高官っていうのは、この、福島に関わってる一番トップの中のトップなんで、えー、トップのうちの1人なんで、これ間違いないとは思ったんですけど、やっぱりでも現地で確認必要だから、えー、フランスで色々当たってみました。で、そうすると、いや、10分の1しか受け取らないので間違いありませんっていうことで、僕は、へえーと思いながら、で、どうしてですかって聞いたら、やっぱり現地に行ったら行っただけの、いわば、その成果はあってですね、こういう反応が返ってきたんです。出して下さい」
山本悠美子
「フランス原子力産業の思惑は、ターゲットは中国」
青山繁晴
「つまり、日本は、日本で支払いが少なくても結構だと。そのかわり、福島原子力災害ってのは今まで世界が経験したことがない、原子力災害であって、しかも中国は、今の新幹線だけじゃなくて、本当は、原子力発電についても、重大な事故があったんではないか、誰も確証がないんですけれども、あったのに、ちゃんと公表されてないんじゃないか、という心配が一つあるのと、それから中国は今後も原発増やしていってるわけですから、さっきの新幹線を見ても分かるように、運行、あの、えー、運営していくことについてですね、オペレーションしていくことについて不安があるから、何か事故起きた時の備えとしても、このフランスが福島で作ったノウハウを中国に高く売れるから」
岡安譲
「セールスで…」
青山繁晴
「心配はないと。あなたが心配する問題じゃない、まで言われたわけですよ。ね。それはつまり、僕から見たら、福島をダシにするつもりかとも、それあの、言いたくなるけども、しかし、まあそのような皮肉を少しは言いましたが、でもそれは国際社会では当たり前のことなんですよ。ね。で、これでまた、いや、やっぱりじゃあ日本はダシにされてるのか、ダメなのかと思うでしょ?しかしヨーロッパを歩いてですね、ま、今回はフランスとイギリスだけではあっても、びっくりしたことがあるんですよ。そのびっくりした言葉の代表がこれなんです。出して下さい」
山本悠美子
「パリのベテラン旅行業者によりますと、『毎日必ず、刺身と豆腐を食べる習慣だけど、それを変えた日は、1日もないよ』」
青山繁晴
「はい、ちょっと、そこまで、そこまででね、いったん止めて下さいね。なぜ急に刺身と豆腐の話になるんだと、ね、皆さん思われたでしょうが、皆さん福島原子力災害のあと、この日本ではどんな報道が多いですか、週刊誌やワイドショーを中心に。つまり、もう日本という国はもう世界でダメだダメだと言われてて、今まで愛してくれた刺身とか豆腐も、それからお寿司なんかももう食べられなくなって、もう日本全体が、日本食を筆頭に信用されなくなってると、言われてるじゃないですか」
山本悠美子
「はい」
青山繁晴
「それを例えば、パリの中で、ま、あの、かなり有名なベテランの旅行業者に会って聞いてみたら、えーっとびっくりされて、とんでもない、そんなこと起きてませんよと。ね。自分は刺身と豆腐をいつも食べてる、変えてないし、そしてさっきも日本レストランで昼食を食べてきたばっかりで、いつものように超満員だったよと言われたんで、僕は、あの、パリをぐるぐる回って、日本食のレストラン行ってみたら、寿司屋をはじめとして、もうワンワン賑わっててですよ、そしてお客に話を聞いても、その福島のことはみんな知ってるんですよ?知ってるけれども、しかし、その、放射線汚染の現実について、その、いいも悪いも現実についてちゃんと論評がなされているから、冷静に論評がなされているから、お寿司を食べなくなってる事実なんてないんですよ」
山本浩之
「フランスでは風評被害がない?」
青山繁晴
「はっきり言うとないですね。全くないと言っていいと思います」
一同
「ほぅ~」
青山繁晴
「そしてイギリス、今回は北部のスコットランドだけですが、それも同じ状況だったんですよ。で、そういうことを、僕はちらっとその、例えば、ラジオで申したりすると、ドイツに住んでる日本の方から、ドイツは全然違うって言ってこられたんですが、その通り、ドイツだけ、むしろ違うんですよ。ドイツは、日本に対する見方が実は、戦争責任の問題も絡んで厳しいのとですね、ま、僕はドイツに対して偏見だと言ってますが、それとドイツは、もう全否定か全肯定かっていうところがあるんですよ。イギリス、フランスはそういうことはない、ヨーロッパの普通の雰囲気は違う。何が言いたいかというと、その、ドイツで厳しく言われたからといって、それが全ヨーロッパで悪く言われてるように、すぐ自分を、日本国を貶めて、考えようとする習癖が特にメディアにあるから、だから日本の力が失われていくんであって」
青山繁晴
「皆さんさっき、あの、自分で確認しましょうと、自分で確かめようと言ったのは、ここは、世界は日本をどう見てるとあえて書かせていただきましたが、皆さん、これから夏休みですね。お子たちと一緒に、その、例えばフランスに行っていただいて、この、青山の野郎が言ったことが本当なのかどうなのか、自分で日本食のレストランも行かれて、歩かれたらいいと思うんですよ。そしてその時に元気な日本の姿を見るだけでも、海外の人は、ああやっぱり日本はちゃんとしてるじゃないかとも思うわけですし、あえてドイツにもどうぞ行ってみて下さいと、思います。僕も行ってみようと思っていますし。はい。それが今日の締めくくりです」
山本浩之
「はい。ありがとうございました。以上“ニュースDEズバリ”でした」
(CM、他のニュース報道のあと、番組最後に)
山本浩之
「ま、さっきのメタンハイドレートですけれども、日本政府は太平洋側で開発しようとする動きがあって、でもお話ですと日本海の方が良質だと。良質だったら何で日本海側でまずやらないんですか?」
青山繁晴
「うん、その、良質ですぐ使えるから困るって話なんですよ、本当は」
山本浩之
「すぐ使える…」
青山繁晴
「すぐ使えるってことは、今、輸入してるやつを輸入する必要がなくなっちゃうから。日本の産業構造が変わっちゃう、つまり既得権益が困るからっていうのが、本音の本音ですよ」
山本浩之
「えーっ!……」
青山繁晴
「ええ。だから太平洋側は2018年から、もう実用開始ってこと言ってんですが、日本海の側はもう全然実用化は、全然、手付けてくれないんですよ」
山本浩之
「韓国はさっきのお話ですと、2014年に…」
青山繁晴
「2014年から日本海の…」
山本浩之
「日本海でしょ」
青山繁晴
「はい。これだからオモテウラひとつになっちゃってるわけですよ」
山本浩之
「えーっ…、たまりませんね」
青山繁晴
「はい。でも僕らは頑張るしかないんです。日本は頑張るしかないんです」
山本浩之
「えー、この情報、また、続報お願いします。今日はどうもありがとうございました」
____________________________内容紹介ここまで