京都2020秋⑨~南禅寺塔頭 天授庵 | 菊蔵の「旅は京都、さらなり」(旅と歴史ブログ)

京都2020秋⑨~南禅寺塔頭 天授庵

南禅寺の最後は、当日一番紅葉が映えていた塔頭寺院の紅葉をご紹介します。
 
 

 
11月10日でもこちらだけは紅葉が目を引き、カメラを向ける方が多いことびっくり
 

 
 南禅寺塔頭 天授庵
 
天授庵は暦応二年(1339)南禅寺十五世虎関師錬が、南禅寺開山無関普門の塔所として光厳上皇の勅許をえて建立。後の慶長七年(1602)細川幽斎が再興して細川家の菩提寺になっています。
 

 
 受付前の紅葉
 

 
玄関(庫裏)

 

 
 書院額縁紅葉
 
この画像を撮るために玄関は常に順番待ちえー
 

 
 本堂(方丈)は細川幽斎が再興した時のもの。他には旧書院、正門等が幽斎によって整備されています。
 
残念ながら、長谷川等伯の三十二面の襖絵(重要文化財)は非公開ゆえ鑑賞できません。
 
それは分かっているから、北側を望む。
 

 
南禅寺三門と紅葉
 
京都ブロガーのくららさんもブログで書かれていた、三島由紀夫『金閣寺』第二章の描写を思い出します。
 
何処の三門でも風景撮影禁止にしているのは『金閣寺』の生々しい描写によるものと勝手に解釈していますニヤリ
 
 

 

本堂(方丈)前庭

 

開かずの門(表門)から続く幾何学的な石畳と苔と白砂。この時期はそれに紅葉が彩りを添え、その対比が美しい。

 

嵐山か東山か、昨日悩んだすえ東山にして良かったと思った瞬間ですニコニコ

 

 

紅葉時は苔に点在する石組も脇役になっています。

 



さて、天授庵庭園の特徴は、異なる二つの庭園で構成されています。

 

名残惜しいけど、方丈庭園から池泉回遊式庭園の書院南庭へ移動。

 

 
露地風の苑路
 
幽玄世界へ誘うような苑路です。

確かここから茶室松席が望めたはずですが、紅葉に目を奪われ、眺めるところでは無かったですえー
 

 
これだもの爆笑
 
書院と紅葉と砂庭の対比の美しさは、方丈東庭に負けないぐらいの色彩を放っています。
 
こちらの書院は庫裏と同年代の嘉永年間(1848~54)に改築されています。
 
当日は空いてたから良かったけど、今頃はここからなかなか前に進めませんチュー
 

 
書院南庭は書院からのびた岬のような出島が池を二分しています(画像は東池)。
 
作庭者は不明。鎌倉時代末から南北朝時代の庭園で、創建当時のものと伝わりますが、何度か改修されているようです。
 

 
 西池
 
この時期でなければ、樹木が池を覆った幻想的な池泉回遊式庭園ですが、紅葉の彩で趣が異なりますキョロキョロ
 

 
南端から書院 
 
やっぱり前回の晩夏よりも良いですね照れ
 

 
東端から
 
風雅な画像爆笑
 

 
御約束の1枚
 
餌をくれないと分かって集団で移動中チュー
 

 
 庭園西奥の普門殿。収蔵庫のようです。唯一庭園に適さない建造物。しかし、その前に
 

 
 苔のむす蹲があるグラサン
 
むしかげんが良いね。
 

 
当日は数人ほどしかいなかったので、画像に人が写ることはありませんでしたウインク
 

 
 書院の硝子に写る紅葉は、鏡紅葉と命名。
 
ほんの数㍍先に別世界が展開しているようですおねがい
 

 
そして帰りぎわ、方丈前庭を再び観賞。

早い時間だったから、人も少なく独占状態に近い拝観でした。


贅沢や~爆笑


参考文献

『[決定版]京都の寺社505を歩く上』(監修山折哲雄 著者槇野修 PHP研究所 2007年)

『京都大事典』(佐和隆研・奈良本辰也・吉田光邦ほか 淡交社 昭和五十九年)