GOTO 伊豆の踊子
道がつづら折になって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。
川端康成の『伊豆の踊子』は、主人公が天城越えの時に雨に見舞われ、北口の茶屋で旅芸人の一座と合流したところから物語が始まります。北口に茶屋は無かったけど、川端康成のレリーフがあります。
雨だったら通行止めになるところだったからよかった。
茶屋で一旦別れたものの、主人公は芸人達を追う。
暗いトンネルに入ると、冷たい雫が、ぽたぽた落ちていた。南伊豆への出口が前方に小さく明るんでいた。
トンネルの出口から白塗りの柵に片側を縫われた峠道が稲妻のように流れていた。
画像は天城トンネル近くのものではないけど、こんな道かな。旧天城トンネルは車両通行止めで歩いて行きました。
天城トンネルには幼い頃に来ているはず。ただ、その記憶は全くありません。
やっと『伊豆の踊子』の舞台を体感できました。