浜松の由来?~音羽の松(浜松市南区小沢渡町)。 | 菊蔵の「旅は京都、さらなり」(旅と歴史ブログ)

浜松の由来?~音羽の松(浜松市南区小沢渡町)。

音羽の松

音羽の松は小沢渡の西部の鳥町にある。こらいは颯々(さざんざ)の松、または小沢の松といわれた。

往時は枝葉が伸びて東西二十間(約36㍍)、南北の大樹で、南の遠州灘を航海する帆船が目標にしたといわれている。

明治維新ころから樹勢が衰え明治十年に枯死し、今はその名をとどめているばかりである。永享四年(1432)将軍足利義教が駿河へ下向の時、この松を愛でて「松風の 音はさざんざ云々」と詠まれたので、さざんざの松といわれた。

曳馬駅を浜松と改めたのも、浜岸にこの松があったためである。

『新津村誌』




            音羽の松



文中に「さざんざの松」とありますが、これは中区野口町の浜松八幡宮の「ざざんざの松」のことで、「浜松名称起源颯々之松」の碑も八幡宮内に建てられています。

ただ間違いではなく、浜松八幡宮は小沢渡許部神社から天慶元年(938)に遷座されたと伝えられ、小松の木も持ち帰り、境内に植えたとの言い伝えがあるので、その密接な関係から『新津村誌』に書かれたのでしょう。


画像は二代目の松で、小沢渡町六所神社入口にあります。


参考文献

『新版 遠江の伝説』 (小山枯柴 羽衣出版 平成七年)

『東海道を歩く』 (浜松市市民部文化財課 平成二十六年)