彼の声 2024.5.20 「理不尽な成り行き」 | 彼の声

彼の声 2024.5.20 「理不尽な成り行き」

voice-162

 人がそれと気付かずに何に囚われているの
かというと、理不尽には思えない慣習や制度
に囚われているというと、そんな慣習や制度
に従っているからそう思われるにしても、従
っているとも意識せずに従っているなら、そ
れに囚われていることを当然視しているとも
思っていないかも知れないが、当たり前のよ
うにしてそうなっていることを意識できない
から、それに関連して何か著名な政治家の類
いが失言に及んで非難されることもたまには
あるらしく、それ自体はよくあることには違
いなく、その人が何か特定の慣習や制度に囚
われているから失言に及んでしまうとは、当
人もそれを非難する人たちも気づいていない
というよりは、それが慣習や制度ではなく、
固定観念や偏見や差別意識に囚われていると
解釈する方が妥当に思われるかも知れないし、
実際にそう思われるからそれを失言だと見な
して、それをメディアが報じて多くの人たち
が非難して、失言を発した当人が謝罪や撤回
に追い込まれるわけだろうが、そういう一連
の成り行き自体が慣習と化しているというか、
そういう制度だと見なしても構わないと多く
の人々が思っているわけでもないが、そうい
う制度的な罠に引っかかってしまう人によく
ありがちな傾向というのが、他者への配慮が
欠けていると見なされる傾向で、もちろん当
人はそうは思っていないどころか、他人に配
慮して発言したつもりが、それとは別の見ず
知らずの大勢の人たちには配慮していないこ
とに気づかないから、差別発言と見なされる
失言だと非難されて、謝罪や発言の撤回に追
われる結果に至ってしまうわけだろうが、そ
れがそうなってしまう当人には理不尽な成り
行きに思われる一方で、それをざまあみろと
思っている大勢の人々にとっては、飛んで火
に入る夏の虫的な事態として当然視してしま
う傾向にあるのかも知れないし、それを制度
的な成り行きのように感じられるとしたら、
そういうメディアが絡んで増幅される成り行
きがよくありがちだからだが、だからといっ
てそういう成り行きに巻き込まれて謝罪や発
言の撤回に追い込まれた当人にとって、それ
が致命的な失態だと見なされるかというと、
そういう成り行きがよくありがちな成り行き
であり、非難している人たちの思惑としては、
致命的な失態になるように持って行きたいか
ら苛烈に非難するわけだが、そういう魂胆を
他の大勢の一般市民から見透かされていると、
大して致命的な失態にならないどころか、苛
烈に非難している側の方がかえって大げさに
事を荒立ているに過ぎないのではないかと疑

念を抱かれて、当の人物を失脚に追い込もう

とする目論見が不発に終わるかも知れないが、
あからさまな差別発言となるような内容を常
日頃から公然と言い放つような政治家である
なら、そういう発言を肯定する勢力の支援を
受けて政治家となっているわけだから、いく
ら非難されても何ともないようなことにもな
るだろうし、そういう人物が国会議員となっ
ていること自体が恥ずべき状況だと言えるか
も知れないが、それとは少し違って今回の上
川大臣のような見るからに普通のおばさん然
とした風貌の人が何かいかにも言いそうなこ
とを言っていること自体が失言と受け取られ
ると、それ以前におばさん然としたという表
現自体も差別表現だと受け取られかねないと
しても、それが一昔前ならスルーされるよう
な発言内容だと当人が思っているとすれば、
当人の感覚が今どきの世間の感覚からずれて
いることを明かしているかというと、一般の
おばさんなら世間知らずとして許容されそう
な発言であっても、大臣や国会議員としては
許されないと感じるなら、それも立場や地位
によって言っていいことと言ってはいけない
ことがあるような本音と建前の使い分けのよ
うな欺瞞を感じさせることかも知れないが、
たぶんそういうところで世間一般の許容度も
だんだん変わってきているから、当人の感覚
からすればどうということはない発言内容だ
としても、世間というかメディア的な良識か
らすれば許容し難い発言内容となることに気
づかなかったことになるのだろうが、こうい
う成り行きをきっかけとして言っても良いこ
とと言ってはいけないことの線引きが確定し
て周知の事実して世間に広まるにつれて、世
間の常識や良識もそういうこととして定まっ
てくると理解しておけば良く、そうなる成り
行きを後押しするためにも、上川大臣の発言
が差別を助長する失言と見なされて多くの人
人から非難される必要があると解釈するなら、
そうなった結果からいかにも妥当に思われる
無難な解釈として導き出しているに過ぎない
ことになってしまうだろうが、それが理不尽
な成り行きなのかというと、上川大臣にとっ
てはそうかも知れないが、その発言を耳にし
て実際に嫌な気分になった人からすれば、そ
うなって当然の成り行きのように感じられる
かも知れないし、理性的に考えて大臣や国会
議員がそういう発言をしてはならないと思う
なら、その種の役職に就いている人は、人々
の先頭に立って世の中を良くして行く使命が
あるとも考えているかも知れないし、逆にそ
んなことを考えてしまう良識派と目される人
人に反感を抱いている人が少なからずいると
すれば、そういう人々の中から杉田水脈など
のあからさまな差別発言をこれ見よがしにす
る国会議員を支援する人々も多少は現れるの
ではないか。

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