彼の声 2024.5.18 「人の振る舞い方」 | 彼の声

彼の声 2024.5.18 「人の振る舞い方」

voice-162

 人が絶えず何らかの事態に直面していると
したら、その事態が何かといえば、市民社会
に直面しているというと意味がよくわからな
くなってしまうだろうが、市民社会の中で何
が働いているのかというと、特に決まりきっ
たルールというわけでもなく、国家的な行政
が機能していれば、人は誰でも法律を守るよ
うに強いられていて、表向きには合法的な活
動を余儀なくされていることは確かだが、た
ぶんそれ以前にやっていることが合法か非合
法かではなく、たとえ合法であっても場合に
よってはやっては行けないことがある一方で、
非合法であってもやらざるを得ないことも出
てくるかも知れず、法律を守ることよりも優
先させなければならないことがあるらしく、
もちろんそれが経済的な利益を追求すること
だと安直に考えても構わないわけではなく、
金儲けにもたとえそれが悪どいやり方を伴っ
ていても、そこでもやっていいこととやって
は行けないことがあるらしく、法律を守るこ
とよりも経済的な利益を追求することよりも
優先させなければならないことがあるという
と、そこで市民社会が成り立つように振る舞
わなければならないらしく、それもできるだ
け嫌な感じにならないように振る舞いたいな
ら、自然とそうなってしまうというと、合法
的な範囲内なら何をやっても構わないとは言
えないし、悪どいやり方で金儲けに成功して
も、それによって損害を被る人が出てしまう
と、社会が嫌な感じになってしまうわけで、
それに類することだとも言えないにしても、
例えば古代ギリシア・ローマ社会の根本的な
欠陥として挙げられるのが奴隷制だと言える
かどうかは何とも言えないが、社会の中に嫌
な感じがする制度が根深く浸透していると、
たとえ一時的には栄華を誇っていたにしても、
そんな社会が世界全体へと広がって行くこと
はなかったと言えるわけでもないが、絶えず
そういった社会の闇の部分を克服するような
方向へと市民社会が発展して行くと歴史的な
成り行きを捉えるなら、そんな感じがしない
でもなく、現代でも嫌な感じがする金儲け主
義の流行を論って、それが社会を壊すように
思われるから、そんな風潮を今だけ金だけ自
分だけだと非難する人が大勢出てくる事態と
なっているのかも知れず、そうであるにして
も騙したりすかしたり隙をついて他人を出し
抜くようなことをやったり、有利な立場や地
位を利用して強権的な姿勢に出て他人を従わ
せるようなことをやったりすれば、一時的に
はうまく行くこともあるだろうが、そんなこ
とをやられた側からしたら嫌な感じがするか
ら、一度やって味をしめて何度も同じやり方
を繰り返してしまうと、そういう人は次第に
社会的な信用や人望を失って人がその人から
離れて行ってしまうだろうから、何かそうい
うところで市民社会のルールのようなものを
想定したくなってしまうのだが、それが決ま
りきったルールと言えるようなものではなく、
どのようなことをやられると嫌な感じになっ
てしまうかが、その場の状況や情勢からそれ
となく感じられるような何かがあるのかも知
れず、それをこういうことだと言えるかとい
うとそうでもないような気もするわけだが、
時には他人から嫌がられるようなことをやら
ないとうまく行かない場合もあるにしても、
それも機会を捉えてタイミングを見計らって
相手から妥協を引き出して相手の了解を得て
からやるような成り行きにもなるかも知れな
いし、それをやるに際してはやるに至るまで
の経緯やその場の事情から、そんなことをや
らざるを得ないような成り行きへと持ってい
くための根回しや環境づくりや持って行くた
めの手腕が求められたりもするから、一筋縄
では行かないようなことにもなって、そんな
ことをやっているうちに事態がこじれてくる
とにっちもさっちも行かなくなる場合もある
一方で、逆にわざと事態をこじれさせて交渉
相手や取引相手をあきらめさせるようなこと
を仕掛ける場合もあるかも知れず、そういう
意味では絶えずやり方の面で融通を利かせた
り弾力性が求められたり、また逆に状況によ
っては一切の妥協も譲歩もしては行けないよ
うな場合も出てくるのだが、それが実践して
行くうちにそんな場面に出くわすから、あら
かじめこうなったらこうしなければならない
とは言えない場合もあり、そういうところで
全てをルール化するわけにも行かず、まさに
そういうところがAI的な分野にも絡んでく
るかも知れないが、もちろんそればかりでは
なく、前もってルール化しておかないと収拾
がつかないところでは、それなりに厳密なル
ール化が必要となってくるわけで、それが状
況によっては損して得するような損切りルー
ルであったり、市民社会的な感覚からすると
嫌な感じがするのを堪えながらもやらなけれ
ばならないことであったりもするから、泣い
て馬謖を斬るような事態も生じてくるわけで、
そういう面では義理人情だけでは立ち行かな
くなるにしても、そういった嫌なことも含め
てその場でやらざるを得ないこととは別に、
信じられる理屈や論理や理論があるかという
と、それが別というわけではなく、それなり
に理屈や論理や理論などに基づいて行われる
ことだと嫌でも納得せざるを得ないというか、
実際に納得させられてしまえばそういうこと
をやる成り行きに逆らえなくなってしまい、
たとえ結果が思わしくなくても文句を言えな
いようなことにもなってしまうから、自分の
勘がそんなことをやったら絶対にうまく行か
なくなると告げているのにその場ではそんな
ことをやらざるを得ないような成り行きに巻
き込まれてしまうと、絶望感とは言わないま
でも、何かやるせない感情が込み上げてくる
のだが、そういうところはあきらめが肝心だ
としても、何度もそんな嫌なことを経験する
と、事前にそういう成り行きにならないよう
にするためのちょっとした工夫や気遣いが自
然に身についてくるのかも知れない。

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