彼の声 2024.4.20 「市場の実態を反映した統治」 | 彼の声

彼の声 2024.4.20 「市場の実態を反映した統治」

voice-162

 実質的に市場がどこにあるのかというと、
売り手と買い手が存在する限りで世界の様々
な場所にあると共にネット内にもあって、そ
こで不特定多数の人や団体の間で売買の取引
が行われていれば市場と言えるだろうが、そ
んな市場で取引される商品の価格が、最低限
でもその商品の生産と流通と販売に伴って生
じるコストを反映した価格になっていないと、
商品としては存在し得ないだろうが、それ以
外の要因として需要と供給の関係から価格が
決まってくることは誰もが理解しているとこ
ろだが、需要がないのに商品を供給すれば売
れ残ってしまうから、価格が値崩れを起こし
て暴落して、逆に需要があるのに供給が少な
いと、価格が高くても買われるから高騰する
だろうが、それと行政がどう関係してくるか
というと、例えば需要もないのに公共の施設
などを建て過ぎてしまうと、その建設費や維
持管理費などが負担となって、本当に必要な
ところに予算が回って行かなくなってしまっ
て、ただでさえ行政は利益の出ない方面で活
動しなければならないわけだから、民間より
はコストがかかってしまうのも仕方のないと

ころだが、経費がかかる分を税収や公債の発

行によって賄わなければならないわけだから、
それなりに納得の行く予算の使われ方がされ
ていないと、税を徴収されている民衆の反発
を招くのも当然の成り行きだが、そういった
経緯を無視するための方便ではないだろうが、
何かおかしな方面へと民衆の関心を誘導した
い思惑があるかのようなことを主張している
輩も結構いるような状況があり、それを枝葉
末節な小手先の技術論と言ってしまうと語弊
がありそうなのだが、それが間接的な財政フ
ァイナンスとかのグレーゾーン的な方面へと
関心を誘導したいわけではないにしても、税
は財源ではないと主張することが何を意図し
ているのかも興味深いところだろうし、何か
実際に行われている経済活動を無視した短絡
的な思考に導くための罠だとも思えないのだ
が、また国債は満期が来たら借り換えれば良
いと主張することも、それに関して専門的な
知識を有していて、制度をうまく利用すれば
都合の良い状態を保てるかのようなことを言
いたい人もいくらでもいると解釈しておけば
いいかどうかは、その種の専門家ではないの
で詳しくは知らないが、どうにかして市場の
原理をかわして財政的なまやかしへと人々の
関心を誘導したいような意図や思惑を感じて
しまうわけだが、では彼らが避けて通りたい
市場の原理とは何かといえば、それを簡単に
言うならその国の市場規模に応じた国家予算
になるのではないかと言うことであり、日本
とアメリカを比較すれば日本よりアメリカの
方が市場規模が大きいし、しかも日本よりは
アメリカの企業の方が世界中からより多くの
富を収奪しているだろうから、その分で余計
に市場規模が大きくなるだろうが、それに応
じてアメリカ政府の国家予算の方が日本政府
の国家予算より遥かに規模も額も大きいこと
は誰もが理解している事実だろうし、その国
のGDPなどの経済力に応じた国家予算にし
かならなければ、小手先の財政的な技術論を
駆使していくら予算を増やしたところで、自
ずから限度がありそうだと考えておいた方が
無難だろうが、実際に日本政府も日銀もアメ
リカの中央銀行であるFRBがインフレを抑
制するために高金利政策を維持していること
に苦慮しているし、その煽りを食って円の通
貨安を招いているのに国債を発行し過ぎてい
るから金利を上げられないし、国家の財政状
況が窮地に陥って八方塞がりな感を否めない
わけだが、それを積極財政派はそうじゃない
と反論を繰り返している最中なのだろうが、
それをどう捉えればいいのかというと、国家
の財政状況が窮地に陥って八方塞がりなのは
何も日本だけではなく、アメリカも含めて世
界の多くの国々でそうなっていると言えるだ
ろうから、それが各国のGDPを超える国債
の発行額から言えることかも知れないが、そ
の先頭を突っ走っているのが日本だと言える
だろうが、それでも現状で何とかなっている
と情勢を捉えるなら、そんな情勢が積極財政
派に味方していると言えそうなのだが、だか
らといってすぐに現状の与党でも野党の有力
勢力でもない政治勢力が主導権を握るにはク
ーデターでも起こさない限りは無理だろうか
ら、まずは野党の有力勢力へと政権交代して
から、しかもその野党の有力勢力というのが
現状の日本では立憲民主を中心とした勢力だ
と見なすなら、もちろんそれを絶対に阻止し
たい勢力が多数派を占めているのかも知れな
いが、それでもまずは緊縮財政派だと揶揄さ
れている件の勢力に政権を担わせて、実際に
統治に失敗すれば、そら見たことかとなるわ
けで、そうなってから積極財政派を自称する
勢力がどれほど国民の支持を獲得できるかと
いうことになれば、それなりに都合の良い情
勢の中で政権を担える可能性が出てきそうだ
が、それもそんな都合の良い経過を辿るよう
な成り行きにはならないだろうから、将来ど
うなるかは何とも言えないところだが、少な
くとも現時点で信じられている政治や経済に
関する理屈や論理や理論などは、数学や物理
などの理屈や論理や理論と比べれば信用度も
信頼度も格段に低いだろうから、あまりそれ
らに従ってもっともらしいことを主張してし
まうと、情勢の変化に合わせて梯子を外され
て時代遅れとなりかねないし、過去にもそう
なってしまった人や勢力などいくらでも存在
しただろうから、現時点でもっともらしいこ
とを主張している人や勢力のほとんどもそう
なる宿命だと思っておいても差し支えないか
どうかも含めて、それもこれといって確かな
ことは言えないのだが、その一方で自分が信
じていることに関しては、それが今後時代遅
れになろうがなるまいが、また正しかろうと
間違っていようと、自分にとっては普通に思
われる感覚の中で言えることとなると、どう
考えても貨幣そのものの本質は実体のない数
値的な情報に過ぎず、それを媒介や媒体とし
て売買や貸借の取引に利用されるアイテムに
過ぎないから、そういうことも考慮に入れて
考えてみると、宗教でいうところの偶像崇拝
に近いことを信じているのが積極財政派だと
捉えるとしっくりきてしまい、そんな捉え方
が正しいか間違っているかは、今のところは
何とも言えないが、今後その正誤が明らかに
なるかどうかもよくわからないと思っている
わけだ。

https://www.koike-t.org