彼の声 2024.2.26 「正しい主張と間違ったやり方」 | 彼の声

彼の声 2024.2.26 「正しい主張と間違ったやり方」

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 主張していることの大前提として、ある種
のイデオロギー的な禁句として思い浮かぶの
が、資本主義的な経済活動が間違っている一
方で社会主義的な経済活動が正しいという主
張であるなら、彼らが主張していることが間
違っているのではなく、正しいことを主張し
ているからこそ、結果的に彼らがやろうとし
ていることがうまく行かなくなるはずがない
と思いたいだろうが、逆にうまく行かなくな
るからこそ、うまく行かないことの埋め合わ
せとして正しいことを主張しなければならな
いとは言えないはずだが、では本当のところ
はどうなのかといえば、絶えず正しいことを
主張しなければならない一方で、間違ったこ
とが行われていないと、正しい主張との間で
バランスが取れないとは思っていないにして
も、その正しい主張というのが、間違ったこ
とが行われているからそれを批判する内容と
なる限りで、そういった行われていることを
批判するための正しい主張が成り立つには、
絶えず世の中で間違ったことが行われていな
ければならないわけではないはずだが、実際
に間違ったことが行われているからこそ、そ
れに対する批判として正しいことが主張され
ているわけで、ならば世の中で正しいことが
行われていれば、それに対して批判できなく
なってしまうから、正しいことを主張できな
くなってしまうかといっても、実際にはそう
はなっていないわけで、そこで批判が起これ
ば、何か間違ったことが行われているから、
それが批判されるだけのことであり、その批
判の内容が正しければ、その批判の対象とな
る行為や行動が間違っているから批判されて
いるわけで、少なくともまずは批判されてい
る対象となる間違った行為や行動があるから、
それに対して批判が行われていると認識する
以外にはあり得ないわけだが、それにしても
批判しようとしているのが社会主義的な経済
活動ではなく、資本主義的な経済活動である
とするなら、ではその資本主義的な経済活動
の何が間違っているのかというと、それが新
自由主義だから間違っていると主張すること
が、果たして正しい主張となるのだとしたら、
では現状で新自由主義的な資本主義以外に何
があるのかということが、何やらそれを社会
主義だとか共産主義だとは口が裂けても言え
ないだけに、その辺からイデオロギー的には
苦しい言い訳に終始するようになるわけでも
ないのだろうが、妥協的な物言いとなるとケ
インズ主義だとかの助け船が通用しているよ
うに装いたいのだろうが、新自由主義的な小
さな政府を批判して大きな政府を実現するこ
とが社会主義や共産主義ではないと主張した
いわけだから、そこでも助け舟となる通貨や
国債などに関する理論や理屈が必要となって
くるのだろうが、そういうところでもそれほ
ど主張の正しさを演出することに苦労してい
るわけではなく、ともかく20世紀に起こっ
た社会主義国の失敗を左翼の失敗と見なして
批判するわけだから、そうなると新自由主義
的な経済活動を左翼に絡めては批判しようが
なく、そこからイデオロギー的に苦しくなる
のは当然だとしても、果たして現状で成功し
ている資本主義経済を新自由主義ではないと
言いたいなら、他の何だと見なしたいのかと
いうことが、物凄い矛盾を感じさせるのだが、
それでも何とかして資本主義にしがみつこう
とするわけで、実際に世界中で行われている
経済活動が何かといえば、紛れもなく新自由
主義的な経済活動なのだから、それに対して
正しい批判を主張したいなら、素直に左翼的
な批判をすればいいのだとしても、その一方
で資本主義経済を肯定するためには、新自由
主義ではないやり方を編み出さなければなら
ず、その辺からケインズ主義などを引っ張り
出してもっともらしい主張として取り繕いた
いのだろうが、その一方でそのケインズ主義
への批判として世界的に出てきたのが新自由
主義であるわけだから、そういった歴史的な
順序を都合良く忘れたいわけでもないのだろ
うが、全ての元凶というのが自分たちが左翼
であることを認められないという滑稽極まり
ない了見の狭さにあるわけではなく、それが
新自由主義ではあっても、小さな政府を実現
する新自由主義ではなく、逆に大きな政府を
実現する新自由主義であるからこそ、新自由
主義を批判する新自由主義のような自家撞着
を起こしているわけで、新自由主義を批判し
ている自分たちが新自由主義陣営に入ってい
ることに気づいておらず、しかもそれが大き
な政府を実現する新自由主義であること自体
もかなりの無理を伴っているとも思っていな
いし、果たしてそれが正しい主張となってい
るのかと問われると、政府を批判しているか
ら正しいと思われるのだろうから、そういう
面では正しいと思っても構わないし、その正
しい主張が実践の場で活かされる機会が巡っ
てくることを願ってやまないのだが、実際に
現状の世界で行われている新自由主義的な経
済活動が、アメリカへの富の一極集中となっ
て貧困と移民と戦争と難民をもたらしている
わけだから、それを批判していれば主張の正
しさを装えるわけだが、果たしてその新自由
主義的な経済活動が間違ったやり方なのかと
いうと、それによって経済的に繁栄している
わけだから、間違っているどころか正しいと
言ってしまうと、ではそれに対する批判が間
違っているわけでもないだろうし、経済活動
による負の面がもたらされているところでは
批判の正しさが意識されると共に、経済活動
によって繁栄している面では新自由主義的な
経済活動の正しさが証明されるだろうから、
間違ったやり方とは言えないだろうが、各国
の政府の財政規模も年々大きくなっているわ
けだから、それをどうにかして積極財政と緊
縮財政の対立軸に嵌め込んで批判に活用して
いる範囲内では正しいことを主張しているこ
とになっているはずだが、その種の主張の正
しさをどの程度信用できるかというと、少な
くともどの政府もどの政治家もどの官僚も間
違ったやり方を実践しているとは思っていな
いわけだから、自身の都合に合わせて正しい
ことをやっていると思っている範囲内では正
しいことが行われているはずだが、それを批
判する側からすればそれが間違っているはず
だから、それを批判する側の主張の内容がも
っともらしく感じられる範囲内でその正しさ
を信用しておけばいいとしても、逆に信用で
きないところがどこかというと、それらのイ
デオロギー的な面であり、彼らが左翼とかリ
ベラルとか社会主義とか共産主義とかに関連
して、感情的な拒否反応を起こしてしまうと
ころが、何か逆イデオロギーに洗脳されてい
るような傾向を伴ってくるから、そういう滑
稽な面は信用しない方が良いだろうし、場合
によっては彼らを強い表現を伴って差別主義
者と見なして敵対しても構わないが、大ざっ
ぱなところでは彼らも含めて左翼と呼ばれる
陣営に属しているわけだから、それが右翼で
あろうと立場的には左翼であるところがわか
りにくいかも知れないが、その種の内部対立
は内ゲバだと受け止めておくのも妥当な認識
かもしれないし、少なくともその種の連合赤
軍的な内部対立の内ゲバの類いには関わらな
い方が身のためなのではないか。

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