彼の声 2023.12.12 「日蓮と山本太郎」 | 彼の声

彼の声 2023.12.12 「日蓮と山本太郎」

voice-160

 確かにそう言われてみればなるほどと納得
できるようなことが世の中ではいくらでも起
こっているのかも知れないが、たぶんそうで
はないこともいくらでも起こっていて、それ
が何なのかというと、それが過去の歴史の中
に埋もれているようなことであれば、調べて
みればわかることかも知れないが、例えば鎌
倉時代に日蓮宗の祖となった日蓮が、仏教の
数ある経典のうちで法華経こそが最も優れた
経典で、そう解釈しない他の宗派を苛烈に攻
撃しながら、このままでは日本が滅びると予
言したことが、何やら現代において山本太郎
が、このままでは日本が滅びると言い放って、
消費税を廃止することが滅びるのを回避する
唯一の方法だと説いて回っていることと重な
ってくるように思われるのだが、その結果と
して日蓮の周りには今日の創価学会の隆盛に
つながる熱心な信徒が集まったのと同じよう
に、山本太郎の周りにも積極財政派で知られ
る熱心な信徒が集まっていると解釈するなら、
なるほどと納得できるかどうかはよくわから
ないが、そうなると日蓮宗と積極財政派が攻
撃するザイム真理教も宗教関連でつながって
きて、当時の日蓮が攻撃していた他の宗派が
現代のザイム真理教に相当するのかと納得で
きるかどうかもよくわからないが、果たして
当時に今日のザイム真理教に相当する宗派が
あるかというと、天台宗や真言宗や当時流行
っていた浄土宗や禅宗などがあるが、日蓮に
攻撃された他の宗派の僧侶たちが幕府に告げ
口したおかげで、日蓮は伊豆や佐渡に流刑に
なったそうだが、当時の武家政権や朝廷に深
く関わっていたのは日蓮もそこから仏教を学
んだ比叡山が総本山の天台宗だが、天台宗が
今日でいうザイム真理教と同じ役割を果たし
ているかというと、後に北条得宗家や幕府を
後ろ盾とした天台宗と日蓮宗の信徒との間で
抗争事件も起こっているし、そういう面では
なるほどと思われるかも知れないが、その一
方で他の野党勢力を山本太郎やれいわの支持
者たちが批判したり非難するところでは、鎌
倉時代の野党勢力としては南無阿弥陀仏を唱
える浄土宗や浄土真宗があるだろうし、法然
を祖とする浄土宗が旧民主党で、さらに親鸞
を祖とする浄土真宗が立憲民主党だとすれば、
法然が鳩山由紀夫で親鸞が枝野幸男になりそ
うだが、当時日蓮が激しく非難した天台宗の
密教化というのが、今日でいうなら政府や財
務省の緊縮財政化やザイム真理教化なのだろ
うが、日蓮が真言密教の祖である弘法大師空
海の霊験の欺瞞性を暴露するところなどは、
それに当てはまる内容が今日の山本太郎や他
のれいわの幹部や国会議員などが国会での質
問や街宣やおしゃべり会などで嫌というほど
主張している内容と一致するかどうかはとも
かく、換骨奪胎的な構図としてはなるほど当
てはまるような気もするのだが、だからとい
って現代の池田大作亡き後の創価学会の信者
が日蓮の再来である山本太郎を新たな教祖と
して崇めるべきかというと、部外者としては
それも面白そうだが、すでに創価学会の信者
は国家体制に取り込まれて保守化しているだ
ろうから、当時の体制側の天台宗と抗争して
いた日蓮宗の信者たちとは異質な存在と成り
果てているだろうから、すでに牙を抜かれて
保守派に与する創価学会の信者たちにとって
はまるで日蓮の生まれ変わりのような山本太
郎もれいわの信者たちも敵対勢力としてしか
認識できないような気もするのだが、その辺
は歴史は繰り返さないが韻を踏むという格言
通りなのかも知れないし、時代の変遷や歴史
的な経緯が宗教的な教義や信者の立場や信仰
の内容などを真逆に配置するような成り行き
を構成するのかも知れないが、何か現代にお
いて訝しく感じられるところがあるとすれば、
山本太郎やその支持者たちの攻撃的で激しい
姿勢や口調というのが、このままでは日本が
滅びる、という深刻で危機的な思いの表れだ
と解釈するなら、そう思っている人たちにと
ってはそうだとしても、その一方で彼らが敵
だと見なして激しく非難している勢力やそう
した勢力に与する人々やそういうことには無
関心で選挙にも行かない多数派の人々にとっ
ては、必ずしもそうではないと推測されてし
まうわけだから、その辺の思いの落差をどう
捉えて解釈すればいいのかよくわからず困惑
してしまうのだが、山本太郎がいくら何十年
も日本がひどい状態になっていると力説して

も、平然とそれを受け流している人々が世論

調査的にもかなりの割合になっているかとい

うとそんなことはなく、実際に世論調査でも

生活が苦しいと実感している人の割合が多数

派を構成していると主張したくなるのだが、

では何で山本太郎やれいわ新選組への支持を

表明する割合がわずか数%しかいないのかと

いうと、それは鎌倉時代の当時でも日蓮宗の

信徒の数よりは他の宗派の信徒の数の方が圧

倒的な多数派を占めていたと想像できるし、

何かそういうところで考慮に入れていない他

の要因があるような気がして、そんな劣勢を

覆して将来れいわ単独で選挙で勝利して議会

で過半数を占めて政権を奪取できるかという

と、ドイツでナチスが政権を取った際には産

業界から支援を得られたり、国軍と対立して

しまった党内の武闘派を粛清したりして、ま

た政権を取った後には国会議事堂に火を放っ

てそれを共産党のせいにして壊滅に追い込ん

だり、ひどいやり方によって全権を掌握した

わけだが、それも歴史は繰り返さないが韻を

踏むという格言を真に受けるなら、現状では

その可能性など誰も信じていないし、予想も

していないところが付け入る隙が生じている

というと、それでも納得できないところだろ

うが、何かナチスとは真逆の平和的な成り行

きに従ってそうなってしまうような未来がや

ってくるとしたら、それも現状では予想もつ

かない思いがけないところからそうなる可能

性もありそうだとも思えないところだし、や

はりそれも逆説的な成り行きになりそうなの

だろうが、少なくとも現状ではれいわよりは

立憲民主党の方が政権に近そうだし、多くの

良心的な人々も批判しながらもそれを期待し

ていて、ドイツでもナチスよりは社民党など

の左翼政党が連立政権の主要な一翼を担って

いるケースの方が圧倒的に期間が長いわけだ

が、ひょっとしたら大どんでん返しのような

ことが起こって、今後れいわ新選組が主体と

なった政権が誕生する未来もあり得るのかも

知れない。

https://www.koike-t.org