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半沢直樹の言う事が真っ当だ。

 話題の半沢直樹。真っ当な半沢のセリフが毎回あり、今回は第九話の最後の場面のセリフを書き起こしてみた。

まあ、このドラマは現在の政界・業界をうまくバックグラウンドに使っていて感心する。ロケーションはホテルニューオータニ。まさしく安倍元首相が「桜を見る会」の前日にパーティを開いたホテル。また、東京中央銀行は東京第一銀行と産業中央銀行との合併銀行、みずほ銀行の前身、第一勧業銀行を彷彿とさせる。この銀行も、第一銀行と勧業銀行の合併銀行。合併後も行内には二つの銀行の流れがあったと聞く。

最終回も楽しみだ。

映像ではないが、第九話の最終場面を思い起こしながら読んでみて欲しい。印象に残った部分は赤字にした。

 

(半沢がホテルのレストランに入ってくる。それをホテルマンが制止しようと追ってくる。箕部、中野渡、大和田が食事をしている。)

箕部:これはこれは、半沢くんだったね。

ホテルマン:お客様・・・

中野渡:ああ、いいんだ。

ホテルマン:はい

半沢:どうして幹事長がここに。

中野渡:私が呼んだんだ。

大和田:君こそ何しにここに来たんだ。招かれざる客は帰りなさい。

箕部:まー折角だ。君も飲むか。

大和田:申し訳ありません、幹事長。

(半沢に向かい)

大和田:幹事長の寛大なお取り計らいに感謝なさいよ。

半沢:あなたもそうだったんですか。トミさんと同じように、頭取からQTの過去について調べるよう指示されて・・・。

大和田:あー、トミさんには内緒でね。

半沢:あの資料はどこですか。地下5階にあった例の資料です。もう頭取には見せたのですか。どこなんです。

大和田:んー、あれね。

(箕部が書類をかざして)

箕部:あー、もしかしたらこれかな、例の書類って。

大和田:たった今、頭取のご判断で幹事長にお渡しされたところっだが。何か?

箕部:まっ、そう言うことだ。

半沢:頭取、何故ですか。これは当行にとって今後の命運を左右する重大な証拠です。箕部幹事長が当行で何をしたか、それを把握された上でのご判断ですか。

中野渡:当然だ。

大和田:頭取はすべてを把握された上でご判断されたんだ。君ごときがとやかく言う筋合いはない。

半沢:恐れながら、到底納得できません。過去の融資に問題があったんなら、銀行としてキッチリと調査を行い、全てを明るみに出すべきです。誰が、どの様な形で一連の錬金術に関わったのか、その中心となった政治家の不正、そして銀行の不正、それ等をすべて公表し、謝罪し、二度と同じことを起こさないよう全力を尽くすと、世間に約束する。それが銀行として通すべき当然の筋じゃありませんか。

箕部:筋はそうかもしれない。しかし、理想と現実は違うよ。これが出たら君たち銀行はどうなると思う。世間の信用は地に落ち、大混乱となるだろう。QTとQSの溝は深まり、中野渡さんが長年目指してきた行内誘惑は今後二度と叶わなくなる。それが君の望む未来かね。そんな銀行じゃ世の中の助けにはなることはできないよ。政府と銀行、共存共栄。持ちつ持たれつでやって行きべきではないのかねえ。

半沢:共存共栄? 何を言っているんですか。これは政治家と銀行が手を組んだ犯罪です。

大和田:おい半沢

半沢:頭取、資料を今すぐ公表してください。たとえ世間からの信頼が地に落ちても、我々自身の信念を捨てなければ、銀行は必ず立ち直れるはずです。必要なのは頭取の覚悟です。どうか、どうか本来あるべき正しい銀行の姿勢を示してください。あなたがそれを示してさえくだされば、我々銀行員は襟を正し、一丸となって失った信頼を一から取り戻に行きます。通すべき筋を通してこそ、我々は顧客のために頑張れるんです。頭取。頭取。

中野渡:半沢。君は帝国航空の担当を外れてもらう。出て行きなさい。

大和田:半沢君、頭取の御命令ですよ。

中野渡:出ていけ。もし従えないのであれば、・・・。

半沢:出向を、ですか。

箕部:あらららららら、これは大変だ。悪いことは言わない。謝っておきなさい。じゃないと出向どころか銀行員ですらいられなくなるよ。謝りなさい、中野渡さんに。そして私にもだ。この日本には相手に思いを伝えるために、古来から引き継がれた素晴らしい礼法がある。両膝を地面につき、さらに両手をつき、己の頭を地べたに着ける土下座だ。さ、やってみなさい。それで許してやるから。さささ、ほらやんなさい。

大和田:半沢君、やりなさい。幹事長のお言葉ですよ。

箕部:小童(こわっぱ)、はよやれムカムカ

(大和田が半沢の肩に手をかけねじ伏せようとする)

大和田:やるんだ。やれー、半沢ムカムカ。土下座しろと言ってるんだ。土下座をしろ。土下座だ。土下座。土下座。土下座だ。土下座。土下座。土下座。土下座。土下座、土下座、土下座、土下座だ

(半沢は大和田ねじ伏せをはね返し、中野渡頭取に対し)

半沢:頭取、私は銀行を信じています。我々は金融の力で世の中で懸命に働く人達の助けになるのだと。私だけじゃありません。この銀行に勤めるほとんどのバンカーが、その正義を、その使命を信じています。だからこそ我々は、己に厳しく、謙虚に、自分たちでなく、世間の利益となることを最優先にとを心がけ、真摯に励んできたんです。あなたのしたことは、懸命に働く全銀行員への裏切りにほかならない。到底許すことなどできません。

大和田:半沢、口を慎めムカムカ

半沢:大和田さん、あなたもだ。

半沢:そして誰より許せないのが、箕部幹事長、あなたです。銀行を利用し、政治を利用し、薄汚い犯罪に手を染め、大金をせしめた。

箕部:あ?最近どうも耳が遠くてね。もう一度言ってくれないかねえ。

半沢:あなたはもはや政治家ですらない。欲に塗(まみ)れた、ただの醜い老いぼれだムカムカ

箕部:何だと?

半沢:今度はしっかり聞こえた様ですね。私を政治家とは、国民それぞれに自分の信じる理念のもとに、この国をより良くするために選んだ存在です。あなたの本当の役割は、国民への奉仕のはずだ。にも関わらず、その使命を忘れ、国民の思いと、願いと、未来への希望をあなたは裏切り、踏みにじった。銀行員として抹殺したいのならどうぞご自由に。だが、銀行の正義を信じるすべての銀行員のために、そして、この国の正義を信じるすべての国民のために、あなたの悪事はきっちりと暴かせていただく。この借りは必ず返します。やられたらやり返す。倍、いや、3人まとめて、千倍返しだムカムカ

 

最終回へ続く