同窓会コンサート
同窓会・・・・・・・・何と懐かしく、癒され、優しい響きなのだろうか。
私がシニア世代であると同時に人と人の繋がりが縁となり、「同窓会コンサート」と呼ばれる、60年代~70年代の歌謡ポップス黄金時代にヒット曲を生み出したアーティストたちが集うコンサートをサポートしています。
「同窓会コンサート」というコンテンツは新聞やラジオのようにシニア世代に支持されている媒体と相性がよいのですから、広告代理店として何かやらねば、という気持ちも確かにあります。
分かりやすく言えばスポンサーニーズに応えることができるコンテンツなのです。
でも、何よりも心を動かされれたのはシニア世代を動かす「音楽の力」です。
会場集まったシニア世代の人たちの元気な掛け声や笑い声。
最年長は元フォーリーブスの江木俊夫さんやあべ静江さんの61歳。
最年少は柏原芳恵さんの46歳。
他の出演歌手を順不同で並べると、今陽子、あいざき進也、高道(狩人)、伊藤咲子、あべ静江、フィンガー5のアキラ、GAROの大野真澄、青い三角定規のクーコ、双子のリリーズ、そして柏原芳恵。
第2部は脳梗塞でリハビリ中の西条秀樹さん中心の構成でしたが、第1部が16時30分から始まり途中15分の休憩を挟んでコンサートが終了したのが20時30分でした。
ま~、長いこと!
それでも飽きない。
15分の休憩時間はトイレの前に長蛇の列でした。
ポイントはトイレタイム。
このコンサートに来たのは昨年12月の中野サンプラザに次いで2回目です。
会場の渋谷公会堂は1階が満席、2階が8割ぐらいの入りでしょうか。
男女ともに50歳以上の人が大半で、60%が女性。
男性観客の中にはかつての親衛隊がいるため、柏原芳恵などが登場すると一斉に掛け声がかかります。
「よしえちゃ~ん!」
う~ん、懐かしい!
そしてペンライトの大波、小波。
まるでタイムスリップしたみたいでした。
2部に登場した西条秀樹さんは、脳梗塞の後遺症で口元や足元が多少おぼつかないのですが、一旦歌い始めると完璧に歌唱したのには驚きました
さすが、プロ!
「ブルースカイブルー」を歌った時にはかつての人気アイドルがリハビリ中の自分をさらけ出している姿に不覚にも涙してしまいました。
西条さんも4月13日に57歳の誕生日を迎えたそうですから、もう立派なシニアです。
この世代は元気がいい反面、思いもかけない病を突然医者から告げられる世代でもあります。
先ほどある人のブログを読みました。
彼は医者です。
今まで病気らしい病気をしたことがないのに、たまたま4月9日の健診で受けたCTIで脳腫瘍が見つかり、明日16日には脳の開頭手術を受けることになったそうです。
診断からわずか1週間です!
腫瘍が発生した部位のため手術次第では術後言葉を失う可能性があるそうで、その事実に対する自分の気持ちを正確かつ客観的にブログに綴っています。
でも、彼の心の奥底にある気持ちがそう簡単にこの事実を受け止められるはずがありません。
「どうして?」・・・・・・・・・
「こんなに健康なのに」・・・・・・・・・
人間ならそう思ったはずです。
西条秀樹さんだって、まさか自分が脳梗塞で倒れるなんて微塵も思っていなかったはずです。
この「どうして?」が、シニア世代には突然起こるのです。
自分が気づかないところで心身に老化が起きている。
機械が錆びていくように、私たちのカラダは、呼吸するたびに酸化し、細胞を傷つけている活性酸素によって錆びついていくのです。
このようにして抗酸化力が衰えるから癌を初めとする多くの病気になるのです。
でも、この老化は自分ではなかなか気づきません。
肉体的な変化に気づいたときには既に手遅れということになり易いのです。
4月14日に渋谷公会堂に集った人たちの多くが、こういう悩みを抱えたシニア世代なのです。
だからではないのですが、この一瞬のために気合を込めて盛り上がるのかもしれません。
ホント、すごいパワーでした!
「どうして?」が自分の身に降りかかった時に後悔しない生き方こそ理想ですが、そう簡単ではない。
過ぎ去った過去を懐かしむこともなく、見えない明日にすがることもなく、目の前にある今日を真剣に生きることが理想だと分かりながら、もがいて生きているのがシニア世代なのです。
だから、「同窓会」という言葉に不安を忘れる何かを感じ、人は集まるのかもしれません。
同窓会コンサートを見てそんなことを感じました。