負けない心 | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

リスクへの恐怖心に勝て


ドイツ vs アルゼンチンの試合を観た。


ここまで差がつくとは思わなかった。


ドイツは若いチームだが、32歳のベテラン、クローゼが2得点。


もちろんミュラーも大活躍。


若手とベテランが上手く機能した結果だと思う。


若手とベテラン・・・・・・・・・・・・・・何が違うのか?


日々マネジメントに明け暮れていると、若手とベテランの使い分けに苦労します。


そんなとき、日本経済新聞に掲載された羽生善治名人のインタビュー記事を読みました。


タイトルは「負けない心」。


負けない心を持つためには「リスクへの恐怖心に勝つ」ことと結論づけています。


羽生さんは、こう言います。


「プロ同士の対局では、力が均衡しているので圧倒的な差がつくことはほとんどありません。たいていは終盤、切羽詰った局面になり、自分が一手指した直後に自分の玉が詰まされて負けてしまうのでは、という恐怖心に襲われることになります」


切羽詰ったときに、負けてしまうのでは?という恐怖心。


これは誰にもあることです。


ビジネスにおいてハードなネゴシエーションの最後の部分で負けてしまうときもそうでしょう。


日常の仕事でもリスクを恐れ、最後の詰めのときに引いてしまうときもそうでしょう。


羽生さんは続けます。


「実は、年齢を重ねるほど、この恐れの気持ちが大きくなってきます。失敗の経験を何度も重ねているからかもしれない。経験には、いい結果と悪い結果があり、経験を積むことで選択の幅が広がることは事実ですが、迷ったり、躊躇したりと、ネガティブな選択をしているときもあります」


わかるな~、羽生さんの気持ち。


経験が豊富なだけにリスクを回避しようとする気持ちが生まれる。


このリスクへの恐怖心は年齢とともに大きくなっていきますから、どうやってこの恐怖心を克服するかがベテラン社員の重要な課題になります。


最初にリスクのことを考え前に進めないベテラン社員が私の部門にもいます。


しかし、歳を重ねることによって確実に衰えていくものがあります。


それは「反射神経」と「記憶力」です。


「体力」と「好奇心」は今の時代、年齢に比例しないと思っています。


私自身を振り返ってみると、


記憶力・・・・・・・・・・間違いなく衰えています。


反射神経・・・・・・・酔ってつまずき、目の上を切ったこともあるくらいですからこれも衰えているのでしょう。


体力・・・・・・・・・・特に強いとは思っていませんが、まあまあだと思います。


好奇心・・・・・・・・人一倍強いほうだと思います。


その他、私が若い人に勝っていると思うことが次の2点です。


1.人脈の広さから来る有益な情報収集力+人間力


2.失敗を重ねたことによる打たれ強さ


少なくともベテランの域に入った人が、人脈と打たれ強さを持っていなければ若い人を納得させることはできません。


人脈もなく打たれ強さもないベテラン管理職を見ていると、この人はどんな生き方をしてきたのだろうと、哀しくなることがあります。


若さには経験が乏しく、打たれ弱い面がありますが、リスクを恐れず前へ突き進むことができる体力や勢いがあります。


年齢を重ねた者には、体力や反射神経や記憶力が衰えた代わりに、経験による人間力や判断力、そして何よりも失敗をしても簡単にめげない打たれ強さがあります。


こう考えると、若手とベテランの組み合わせが上手く機能すれば、組織は間違いなく活性化するはずです。


しかし、現実は簡単ではありません。


リスクを恐れる若者。


経験があるのに、それを生かそうとしないベテラン。


どちらにも必用なことは「気持ちで負けない」ことと「粘り強く思考を重ねる持続力」だと思っています。


年齢に関係なく、この2つを持っていない人を私は評価しません。


リスクへの恐怖心に勝ち、根気と粘りで自身の直感力を磨き続ける。


これを羽生さんは「負けない心」だと言ってます。


ドイツ vs アルゼンチンの試合をテレビ観戦した後、こんなことを考えながら日曜の朝を迎えました。