ライフスタイルに合わせた音楽の聴き方
浜崎あゆみさんのニューアルバム「NEXT LEVEL」がCDやDVDの他にUSBメモリーで発売されます。
2GBのUSBメモリーには13曲の楽曲(MP3形式)と歌詞データ、6曲分のプロモーションビデオ(MPEG-4形式)が収録されて、価格は6,800円。発売は3月25日で、数量限定生産だそうです。
収録されている素材は購入者が消去できないかたちで記録されており、誤って消してしまうというトラブルを妨げるようになっています。
「NEXT LEVEL」については、多様化するユーザーニーズに応
えるべく、USBメモリー版のほか、CD(3150円)、CD+DVD(3990円)、2CD+DVD(4500円、初回限定)で発売されます。
普通に考えれば、一番売れるのは「CD+DVD」(3990円)ではないでしょうか。
USBメモリー版としての発売は、日本人アーティストとして初ということですが、ここまでやるならば「SDカード」での発売も検討して欲しかった、というのが私の気持ちです。
これだけ携帯での音楽試聴が当たり前になっているのですから、「SDカード版」があってもおかしくないと思うのです。
TPO(古い表現です!)・・・・・・・今風にいえば「コンタクトポイント」とか「タッチポイント」というのでしょうか・・・・を考えれば、今回のように様々なパッケージスタイルでの発売はとてもよいことだと思います。
課題があるとすれば、今回のUSBメモリー版も全国のCDショップでしか販売されないということなのです。
むしろパソコンショップや携帯ショップで販売したほうが売れると思いませんか?
私も音楽業界にいたことがあるので分るのですが、全国レコード商業組合と日本のレコード会社との間で取り決められた暗黙の了解と再販価格維持制度という高い壁が販路の拡大を制限してしまっているのです。
悪しき風習以外のなにものでもありません。
いま、SDカードに既存の音楽や映像、ゲームなどを収録したものが一部の(主にソフトバンク)携帯ショップで販売されており、それなりの売れ行きであるということを、過日「CENTRIX」 という会社のH社長さんに聞きました。
この会社は「Centrix SDCcontenViewer TM」というSDカードによって様々なコンテンツを楽しんだり新たにダウンロードできたり、課金もできるアプリケーションを開発・販売しています。
SDカードであれば、テレビ(一部のテレビ)で再生することも可能ですから。
ここにこれからの携帯コンテンツビジネスのヒントがあるように思われました。
話が遡りますが、i-Podが発売された当初、若者は別にして、「このi-Podにビートルズの楽曲、BEST100があらかじめ収録されていれば、10万円でも買うんだけれど・・・・・」という声がシニアの間で数多く聞かれました。
これと同じ発想に立てば・・・・・・・・・・
携帯を使用しているシニア世代は、面倒臭いので若者ほどコンテンツのダウンロードを利用していません。
だけど、携帯で音楽は聴きたいし、着うたや着メロや待ちうけも設定したいし、着せ替えツールだって利用したい。
もちろんゲームや楽しいアプリもダウンロードして携帯で楽しみたいと思っているシニアは少なからずいるはずです。
ここで利用できるのがSDカードではないかと思うのです。
おまけにSDカード本体の価格がどんどん下がっていますから、いきおい店頭での販売価格もリーズナブルになるはずです。
先に紹介した「CENTRIX」という会社はそこに目をつけて、新たな需要を開拓しようとしています。
パッケージ販売の市場が10年前の半分近くに落ち込んでしまった音楽業界ですが、まだまだパッケージの工夫と流通の課題を乗り越えていけば売上は伸びると思うのですが。