視聴率戦争に勝てないTBS
1月19日~25日の週のTV視聴率ランキング。
毎週ビデオリサーチ社が発表している関東地区の総合ランキングです。
1位はNHKの「大相撲初場所・千秋楽」の27.1%。まあ、白鵬vs朝青龍ですから納得。
2位は大河ドラマ「天地人」。篤姫の流れを引き継ぎ、26.0%で堂々の2位。
以下、3位のフジテレビ「サザエさん」の20.8%から20位のフジテレビ「ヴォイス~命なき者の声」の17.4%まで番組が並びます。
この中にNHKの番組が4本。フジテレビが9本。日本テレビが4本。テレビ朝日が2本。
TBSは8位の「ぴったんこカン・カン」19.7%が1本ランクインされているだけです。
昔はドラマのTBSと言われ、現在「ありふれた奇跡」を執筆している山田太一さんなど大家と呼ばれる脚本家のドラマが次々に放送され、高視聴率をあげていました。
この1~3月期、TBSドラマの目玉は金曜夜10時からの「ラブ・シャッフル」でしょう。
脚本に野島伸司、プロデューサーに伊藤一尋。
90年代、このコンビで放ったドラマ「高校教師」は大ヒットしました。
いわば低迷するドラマのTBSが夢よもう一度の思いで制作したドラマではないでしょうか。
しかし、同じ週、ドラマ部門だけのベスト10に「ラブ・シャッフル」はランクインしていません。
10位は皮肉にも同じTBSで放送されている「水戸黄門」の12.6%です。
TBSではこの他に「渡る世間は鬼ばかり」が7位にランクイン。
ドラマ部門ではこの老舗ドラマ2本しかランクインしていません。
ここにTBSドラマ部門の根本的な問題があるように思えます。
この2作品に頼り続けている限り、ドラマのTBSの復活は難しい、そう言い切る友人がいます。
今のTBSには「過去の成功体験を捨てる」という荒療治が必要なのではないでしょうか。
だってフジや日テレが得意なバラエティ部門も惨敗なのですから。
それでは何故、TBSは視聴率戦争に勝てないのか。
それは赤坂サカスにあります。
大手テレビ局が軒並み苦戦していますが、TBSには赤坂サカスという膨大な賃貸収入が見込める不動産があるのですから、少々の減収・減益なんか気になりません。
社長が女性問題で週刊誌を賑わしても大したことではないと思っているのかもしれません。
だからTBSの社員には危機意識が欠如している人が多いのでは?と思ってしまうのです。
さらに昨年1年間の年間視聴率ベスト20のランキングを見ると、北京オリンピックがあったせいか、10本がスポーツ番組で、こうなるとNHKと日本テレビの作品が上位にずらりと並びます。
ここでもTBSは19位にWBCボクシング中継「内藤vs山口」戦があるのみです。
これからのテレビ局はシニアの観賞に耐えるだけの深さを持ったドラマと臨場感溢れるスポーツ中継と旬な情報としてのニュース番組がメインに進んでいくことは間違いないでしょう。
巨人TBSよ、きみはどこへ向かおうとしているのか?