大分トリニータ溝畑社長のエネルギーに感動
私自身はサッカーに興味はありません。
でも、ナゼ周囲の人がサッカーにあれほど熱くなるのか?には興味があります。
サッカーそのものへの関心もあるのでしょうが、同僚のKさんが、あれほど熱く浦和に入れ込むのは間違いなく郷土意識です。
九州の弱小チームと言われた大分トリニータが今年のナビスコ杯で優勝。
マスコミが一気にトリニータの記事を書き始めました。
私がトリニータの溝畑社長に興味を持ち始めたのも、ちょうどその頃のことでした。
溝畑宏、48歳。
1960年京都に生まれる。1985年、東京大学法学部を卒業した後、自治省(現総務省)に入省。1994年、34歳のときに大分県企画部次長として県に出向。「大分県をサッカーで活性化させる」との信念で大分トリニータを創部。苦労しながら、2000年にGM、2004年に社長の就任する。
パチンコホール経営の最大手「マルハン」がゼッケンスポンサーに!
小室哲哉が年間7000万円でスポンサーに!その後滞納でトリニータは一時経営危機に。
こんな話題を提供したのもこのチームです。
マルハンは、遊技場経営の会社がスポンサーになるのはいかがなものか?というJリーグの指導によりゼッケンスポンサーを降りることに。
しかし、マルハンの韓会長は、溝畑さんの熱意に惚れ、サポートし続けることを決意したという。
以来、トリニータのユニフォームにゼッケンスポンサーはない。
しかし、この事情を知ったトリニータのサポーターは毎回自主的にマルハンのビッグフラッグを競技場で掲げています。
とにかく情熱の人である。
本日放送された「カンブリア宮殿」は、この溝畑社長がゲストなだけに真剣に見ました。
インタビューされた大分の老夫婦が「この年になってこんなに夢中になれるものがあって若返った」と語っていました。
「若い人には活力を」、「お年寄りには元気を」が溝畑社長の信念である。
1日に50社の企業を訪問するという泥臭い営業活動。
現在トリニータのスポンサーは700社。町の開業医から個人まで、とにかく一人でも多くの人にトリニータを愛してもらいたいという溝畑社長の行動がそのまま反映されています。
「0と0.01は違う」
0.01%の可能性があれば逆境を打破できる、と溝畑社長は言います。
要は可能性を信じて行動できるか否かです。
この間に、溝畑さんは私財1000万円以上をトリニータに投入。
奥さんからはあいそをつかされ、9年前に離婚。現在は大分のマンションに一人暮らしである。
ここまでやるか?と驚いてしまいました。
「逆境さん、いらっしゃい」という溝畑社長のエネルギーはどこから生まれてくるのか?
それは「トリニータへの愛」以外にありません。
「自分が働く場所に誇りを持つ」、それは「自分が生まれた場所に誇りを持つ」ことにつながる。
「大分から世界一になるような風土を作りたい」
まさに企業のビジョンと同じです。
社員が夢を持ち、一丸となってその夢を追うような企業風土をつくることこそ経営の本質であることが、溝畑さんの行動を見ているとよく分かります。
溝畑さんの座右の銘。
「他人のやらないことをやる。やってから考える」
未曾有の経営不況により、多くの企業が疲弊していますが、大事なことは溝畑さんのように、今までと同じことではなく、他人がやっていないことにまず、挑戦することです。
この挑戦を躊躇ってはいけません。
躊躇わせるような環境をつくってはいけません。
上司は部下にまず、やらせることです。
「他人のやらないことをやる。やってから考える」は、まさに私自身に課さなければならない2009年の命題です。