デーブ大久保さんの喜びやいかに!
「もう死んでもいい!」
優勝後、西武ライオンズの打撃コーチである大久保博元氏の第一声である。
今年、西武ライオンズの打撃コーチに、と渡辺監督から指名されたとき、デーブは、現場から離れて12年。2週間悩んだ末に、この申し出を断ろうと思ったそうです。
その時の渡辺監督の、このひと言に感激し、打撃コーチ就任を受諾したそうです。
「おまえは俺が守ってやる。何かあったら2人で責任をとればいい」
そのときにデーブは「この人のために頑張ろう!」と決めたそうです。
このあたりの渡辺監督と大久保打撃コーチとの関係は、5月13日のブログに詳しく書きましたので、興味のある方はそちらをご参照ください。
今年の西武は打撃のチームです。
その責任者が打撃コーチの大久保博元氏です。
たとえば、「サンペイ」こと中村剛也。現在ホームラン44本でパ・リーグの本塁打王です。昨年1年間での彼の本塁打数は僅か7本。
昨年、初の3割をマークした中村裕之も打率3割3分1厘で現在パ・リーグ2位。
カブレラ、和田が抜けた後をこうした20代の若手を抜擢することで、見事に乗り切った手腕。見事です。
デーブはこうも言いました。
「自分を一度もコーチだと思わなかった。ただいい兄貴分でいようとしてできたこと。野球だけじゃなく、彼女との仲や合コンの相談にも乗ったからね(笑)」
毎晩試合が終了した後、次の対戦相手のDVDを繰り返し見るので、帰宅はいつも深夜。そして翌朝4時過ぎには起床してアーリーワーク(早出特打)に付き合う。これを毎日繰り返していた。
こういう大久保博元氏の努力を皆は知らない。
さて、ここから組織IQ、つまり組織遂行力を高める方法について、先日ビジネス・コーチング・セミナーに出席して学んだことを紹介します。
講師はビジネスコーチ(株)代表の細川馨氏です。彼のセミナーだからこそ出席したともいえます。
まず機能不全に陥っている組織の原因。
1.信頼の欠如
2.衝突への恐怖
3.責任感の不足
4.説明責任の回避
5.結果への無関心
一方、組織IQ力が高い組織とは
1.外部情報感度が優れている
2.内部情報流通というコミュニケーション能力が高い
3.スピードのある効果的な意思決定機構が機能している
4.継続的革新を生み出す仕組みがある
今年の西武ライオンズを見ていると、かなりの部分が当てはまっていると思います。
では、具体的に組織遂行力を高める方法とは、
1.リーダーが自己診断を行い、自身の強みと弱みを理解する
2.組織の人材を分析する
3.情報共有の仕組みをつくり、活用する
4.戦術を構築する
5.目標達成に向け、全員を行動変革させる
6.部下のフォローアップをする
細川さんは、特に6番目の「フォローアップ」を忘れるリーダーが多いことを指摘していました。
デーブが野球のことだけでなく、彼女や合コンの相談にまで乗ったということもその一つかもしれません(笑)。
これからは、個人の能力を高めるよりも組織IQ(組織の業務遂行能力)を高めることが大切であり、そのためにはリーダーのコーチングスキルを高めることが重要だといいます。
リーダーのコーチングスキルに必要な要素とは、
1.中立
自分の主観で意見を言ったり、感情的になったりしない
2.共感
自分とは大きく異なる価値観を持つ人に対しても存在を認め、本人の感情や考えに共感する
3.傾聴
話し相手が「何を言いたいのか」に集中し、途中でさえぎったりせずに最後まで聞く
4.承認
相手を承認し、モチベーションを高めること
5.質問
話し手の思考を広げ、気づきを促す質問をする
6.アドバイス
目標が達成できるような的確なアドバイスをタイミングよく行う
要はリダーシップとフォローアップが特に重要だということになります。