ネットのランクをお金で売るドコモ | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

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音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

ドコモの決断は評価されるのか?


NTTドコモは6月中旬、自社が運営する公式サイト「i Menu」の一部のカテゴリーのランキングの基準を利用者主義から提供者主義に変更する。これまで利用者の多い順に掲載順位を表示していた「i Menu」に運営企業による入札価格で掲載順位を決める「プレミアムメニュー」を設けるのだ。「プレミアムメニュー」の最低入札価格は1ケ月あたり1万円。1万円単位で高い金額を入札した企業のサイトを上位に表示する。入札対象は「働く/住む/学ぶ」、「着うたフル」、「着信メロディー/カラオケ」、「メロディーコール」、「ゲーム」など合計10カテゴリー。(日経BPより)


このドコモの決断が吉とでるのか凶となるのかを検証してみたいと思います。


特に「着うた」や「ゲーム」など、私の仕事に関係の深いエンタメ系コンテンツプロバイダーの広告出稿動向に大きな影響を与えることになるからです。


まずドコモは今回の入札制について次のように発表しています。


「現行のランキングのままではあまりにもサイトの顔ぶれが固定するため、全てのサイトに公平なチャンスを与えることがユーザーサービスにつながる」


しかし、本音は別のところにあります。


それはズバリ!収入増です。


利用量の多い順にランキング表示しても、ドコモの収入に直接結びつくわけではありませんから。


通話料などの既存収入が頭打ちになっている同社にとって、収入源の拡大はまさに悲願であるのですから。


確かにi Menuから入る中カテゴリーに来るユーザーは明確な興味を持って自発的にアクセスしてくるわけですから、この面での広告出稿はクライアントにとっても成約率が高くなるはずです。


いままでコンテンツプロバイダーは自社サイトにユーザーを誘導するためには、トラフィックの多いモバゲータウンやmixiに広告を出稿していました。


それを止めてプレミアムメニューの入札に切り替える可能性が出てきます。


つまり携帯電話向けコンテンツ業界のお金の流れがすべてドコモに向かう可能性があります。


もうひとつは、プロバイダーの公式サイト離れが加速することです。


なぜならば、お金でランキングを買えるようにしたことで、元々利用者数の多いコンテンツプロバイダーの表示が消えたり、お金で買われて上位に表示されたサイトが面白くなければ、ランキング自体の信用性が薄れるということになります。


そうなれば、やがてi Menuの利用率の低下や結果としての広告価値の下落につながると思うのですが、ドコモさん、いかがでしょうか?


しかし、私が本当に危惧しているのは、もっと先なのです。


入札を行った結果の掲載ランキングがそれ以前のものと殆ど変わらなかったとするならば・・・・・・・・・・・


つまり、コンテンツプロバイダー自身がi Menuにそれほどの価値観を見出していない、ということになるのではないでしょうか。


この賭けが王者ドコモにとってどんな意味があるのか?


私には分りません。