ラヴェンダーの咲く庭で | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

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音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

美しい海辺の田舎町を舞台にした、大人のためのおとぎ話です。





台風のおかげで、いつも教えている社会人講座が中止になり、自宅でゆっくりと映画を観賞。


2004年の英国映画「ラヴェンダーの咲く庭で」です。


イギリスが誇る2人の名女優、マギー・スミスとジュディ・デンチが主人公姉妹のジャネットとアーシュラを演じています。


これが初監督作品とは思えないチャールズ・ダースの落ち着きのある演出と、その映像の美しさを引き立てるナイジェル・ヘスの音楽の穏やかさ。


ヴァイオリンによるテーマ曲がいつまでも心に残っています。


満足度90点です。


1936年。イギリス、コーンウォール地方。ヨーロッパでは歴史的な出来事が起ころうとしていたが、美しい景観や柔らかな日差しに恵まれた海辺の小さなこの町は、外界と遮断されているかのように静かな時を刻んでいた。アーシュラ(ジュディ・デンチ)とジャネット(マギー・スミス)、初老にさしかかろうとする2人の姉妹も、両親が残してくれた屋敷と財産に恵まれて、穏やかに日々を過ごしていた。ある嵐の翌日、アーシュラは屋敷の下の眼下の浜辺に、若い男性が倒れているのを発見し、自宅に運びこんで懸命に看病する。この少年はポーランド人で、実は若き天才ヴァイオリニストだったのです。渡米途中に船が難破し、この海辺へ流れ着いたらしい・・・・・・・。


この作品のホームページにはアーシュラの声で


・・・・・長い年月、私は来るはずのない王子様を待ち続けた。そしてある日、ついにその人はおとぎの国から、海を越えてやって来た。彼と過ごした短い季節、私は心が震えるほどの幸福を味わった。


アーシュラは軍人の父親の留守を預かり、先に嫁いだ姉のジャネットの代わりに年老いた母親の面倒を見ているうちに恋も、結婚も経験することなく老いてしまったナイーブな女性なのです。


いまは一緒に暮らす姉以外の誰とも深い人間関係を築かず、孤独の中に老いてしまったアーシュラの目の前に突如現れたのが、美少年のヴァイオリニスト、アンドレア(ダニエル・ブリュー)だったというわけです。


初老のアーシュラを演じるジュディ・デンチの演技が、美しく、はかない。


まるで若い娘のようにアンドレアに心をときめかすジュディ・デンチの演技の巧みさ。


その上手さゆえに、後半の悲劇が一層哀しさを誘います。


全体にゆっくり時を刻みながら展開していく映画、それも登場人物が少ない分だけ感情移入ができる映画が好きです。


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