憎しみに口づけ、愛に刺し違える
チャン・ツィイーが美貌のエンペラーを演じた「女帝~エンペラー」 を見ました。
原題は「夜宴~THE BANQUET」。
唐王朝が滅んだ後の古代中国、戦乱の五代十国時代を背景に、ウィリアム・シェイクスピアの「ハムレット」を原案にした作品と聞いただけで興味が湧きます。
京劇、能、モダンバレー・・・・・の要素をふんだんに盛り込んだ中に、ハムレットがテーマとする「裏切り」、「愛」、「憎悪」、「苦悩」が登場人物を通して描かれ、なかなか見ごたえのある絵巻物のような作品でした。
セットも豪華絢爛。
「酒」と「茶」をテーマに北京とロシアで撮影されたそうです。
ただ脚本のせいか、ところどころに場面のつなぎが分かりにくく観念的な描写になってしまったところが難点で、満足度85点。
こんばんは、らんまるです。
権力を手中に収めた美人というのは実に恐ろしい!映画を見終えたあとの素直な感想です。
原作にある「弱きもの、汝の名は女なり」なんて印象は全くありません。
監督はフォン・シャオガン、ワイヤー・アクションがマトリックス他のユエン・ウーピンですから、とにかく空中戦闘シーンがふんだんに盛り込まれています。
音楽は、これも定番か、ダン・ドゥン。
ハムレットを下敷きにしているけれど、役柄の設定は異なります。
ハムレット役にあたるのが、皇太子ウールアン(ダニエル・ウー)。
ハムレットの母親にあたるガートルード役にあたるのが、先帝の皇后ワン(チャン・ツィイー)。ウールアンとワンは元恋人同士という設定のため、皇太子ウールアンと王妃とワンは、血のつながりのない義理の母と息子という関係になります。
先帝を殺して王の座に就いたのが、先帝の弟クローディアス役にあたるリー(グォ・ヨウ)。名作「活きる」の主役を」演じた名優です。
オフィーリア役にあたるのがチニー(ジョウ・シュン)。前半の印象は薄いのですが、後半にドラマチックなシーンが用意されていました。
これも、あれもと盛り込んだせいか人物描写に深みがなく、ラストシーンの意味もイマイチ疑問のまま終わってしまったのが残念です。
誰かラストシーンの意味を教えてください。
- シャン ハーユー, チエン ユー, 和泉 裕子TRANSLATOR : 井上 実
- 女帝エンペラー