世界中が涙したその日、たった一人涙を見せなかった人がいた
4月上旬に公開されながら、なかなか見ることができなかった映画です。
何度か日比谷シャンテに足を運んだのですが(いずれも上映の30分以上前!)、いつも私が到着した時には、すでに次の上映会のチケットを求めて並ぶ長蛇の列。
殆どが中年の女性でした。
私事で恐縮ですが、親類の法事で従姉妹が、同窓会で同級生が、「クイーン」を見たと言っていました。いずれも中年女性です。
普段映画館に行かない50代~60代の女性たちがこの映画に殺到したのです。
先週末の新聞記事によると、既に30万人突破とのこと。つまり興行収入で5億円を超えたことになります。
ミニシアター系の作品で興行収入が5億円を超えるというのは異例のヒットですから、今後一般劇場に拡大されること間違いなしですから、大ヒット作品の仲間入りも夢ではありません。
韓流ブーム、熟年旅行、昼間のカラオケ、フラダンス教室、原付スクーター・・・・・みんなオバサンが作ったブームです。
そういえば、「騒音おばさん」なんていう人もいましたね。
こんばんは、らんまるです。
「しかし、みんなよく似ているわね」
「セリフが多くて、途中で眠っちゃったわ」
「こんな退屈な映画は初めて」
「ダイアナさん、可愛そうね」
映画を見終わってロビーに出たときに聞こえてきたオバサンたちの会話です。
純粋に映画の質に感動した人も多いのでしょうが、きっと多くのオバサマたちは女性週刊誌の記事を見るような感覚で、劇場に来たのではないでしょうか。そんな気がしました。
確かにヘレン・ミレン演じるエリザベス女王はよく似ていましたし、ブレア首相も、その夫人も似ていましたから。
しかし、英国というのもすごいですね。
日本の皇室でいったら、皇太子殿下が雅子妃殿下の「人格否定発言」をしたとき、マスコミが大騒ぎしましたが、それを映画化するようなものですから。
さて、肝腎の映画です。
1997年8月31日に子打つ事故で他界したダイアナ妃をめぐって、揺れ動く英国王室の内実を描いた衝撃のドラマ。英国の首相に就任したばかりのブレアはエリザベス女王と世論との間に立ち、苦悩しながらもエリザベス女王を説得していく。事故からダイアナ元妃の国葬が執り行われる数日間の英国王室、いや、エリザベス女王の一挙手一投足にスポットを当てた作品です。
何よりもこの映画の質を高めたのは、エリザベス女王役のヘレン・ミレンの演技です。それに尽きる映画でした。
満足度85点。
そして、エディンバラ公とチャールズ皇太子はどうしようもない人間に、そしてブレア夫人は王政廃止の過激派として描かれています。
映画の冒頭自分の肖像を描く絵師を前に
「私は自分の意見を表明したことがないの」
語った女王の一言が、映画を見終わった後、ずしんと心に残りました。
それにしても、この作品、浜崎あゆみや倖田來未で有名なレコード会社「エイベックス」の配給です、驚きですね!