涙がこぼれそうなとき、そこに歌があった。
アマゾン・ドットコムがDRMフリーの楽曲を年内にストアで発売すると先週発表しました。
その前の週には、EMIがiTunes StoreでDRMフリーの楽曲を配信すると発表しました。
iTunes Storeでダウンロードした楽曲がi-Podでしか聴くことができない不便さを感じている消費者にとって、まずは朗報に違いありません。
あとはEMI以外のメジャー各社がどう対応するかでしょう。
彼らは売上が伸びればEMIに追随するし、伸びなければ敢えて無謀な決定はしませんから、DRMフリーの楽曲を提供しているインディーズからミリオンヒットが生まれるとよいのですが。
最近、ユニバーサルミュージックから発売された新人バンド「GReeeeN」の新曲「愛唄」のプロモーションで、私のセクションから提案したインターネットのみで完結するプロモーションが、目に見える形で成功した例が生まれました。
SNS~携帯~メジャーポータルサイトという流れですが、詳しくは企業秘密なので書くことができません。
このように、音楽は「配信・ダウンロード」が主流となり、単なる「モノ」のように右から左へ流れていく。アナログレコードに慣れ親しんだ世代には、何だか寂しい気がする今日この頃です。
こんばんは、らんまるです。
そんな時、DVDでフランス映画「コーラス」を観賞しました。
音楽が人の心を癒し、音楽が人を更正させ、音楽が人を勇気づける。そして、何よりも音楽はパッケージではなく中身なんだということを素直に感じさせてくれる映画です。
「コーラス」は音楽の原点を感じさせてくれる感動的な作品でしたので、満足度90点。
1949年フランスの片田舎。貧しい親元を離れて寄宿学校で暮らす子供たち。誰も会いに来てくれない面会日、帰る家のない哀しい目をした子供たちを校長先生は厳しくしばりつけていた。そんなある日、寄宿舎の舎監として一人の音楽教師がやって来ました。彼は校長の反対を押し切って、彼らを叱るかわりに合唱の楽しさを教えながら、子供たちとの絆を取り戻していくのでした。そんな子供たちの中に「奇跡の歌声を持つ」少年ピエールがいたのです。
映画は、成長したピエールがニューヨークの劇場でオーケストラを指揮した後の楽屋にかかってくる1本の電話のシーンから始まります。
成人したピエールを演じるのは、この映画の製作者の一人でもあるジャック・ペラン。
まるで「ニュー・シネマ・パラダイス」と同じような始まりです。
電話は故郷フランスに住む母親の死を伝えるものでした。
故郷に帰ったピエールのもとを訪れたのは、寄宿舎で一緒だったペピーノです。
50年ぶりに再会したペピーノがピエールに渡した一冊の日記。
それは寄宿舎でピエールにコーラスを通じて音楽の素晴らしさを教えてくれた、あの教師が残した日記だったのです。
映画はピエールがこの日記を読むという形で過去にフラッシュバックしていきます。
何の変哲もない単純なストーリーですが、泣けます!
特にラスト近く、教師と生徒の別れのシーン。分かっていてもダメでした。
私がこの映画に共感を覚えた理由のひとつが主役の教師です。
落ちこぼれで、出世もできず、音楽家への道を断念し、禿げ頭で、女にもてない、さえない人間だったことです。
今は天が二物も三物も与えたようなカッコイイ天才がいますが、やはり努力の結晶みたいなほうが共感を呼びますね。
この映画は2004年にフランスで公開され、870万人の観客動員新記録を樹立。ちなみにそれまでの1位は「アメリ」でした。
奇跡の歌声を持つ少年ピエールを演じたのは俳優ではなく、サンマルク少年少女合唱団でソリストを務めるジャン=バディスト・モニエという少年です。
音楽の持つ魅力を素直に信じる人に、是非みてほしい作品です。
- アミューズソフトエンタテインメント
- コーラス メモリアル・エディション