All for one, One for all
書類一枚の重さを痛感しているスタッフKです。
個人的な話になりますが、私は現在被災者として、子供といっしょ福島から広島に避難しております。
縁あって、先月から、ピースビルダーズのスタッフの一員となりました。
自主避難につき、経済的な支援がないため、生きていく上で収入が必要です。
が、まず、幼児を預けるのに、保育園申請するにあたり、様々な壁があることがわかりました。
まず、役所に行き、どこで幼稚園や保育園の申し込みをすればいいのか尋ねると、福祉センターを案内されました。
福祉職員T 「保育園に預けるには、まず、広島市民が最優先されます。福島の方で、仕事がない場合、順番は一番最後になります。」
私 「では、幼稚園はどうですか?」
福祉職員T 「空き状況をみてみないと、なんとも言えません。」
私は、幼稚園の空き状況をみせてもらいましたが、どこもいっぱいだと、説明を受けました。
ダメもとで、職場の近くに幼稚園に、幼児を連れて事情を話すと、園長先生は快く、受け入れてくれました。
ところが、
翌日、用事があり、小学校で校長先生と話す機会があったのですが、そこで校長先生に
「何か今、困っていることはありませんか?」
と聞かれたので、
今 仕事が始まるので職場近くの幼稚園に入れそうなこと、定期券の購入場所がわからない、など不安に思っていることを話始めたら、校長先生は驚き、
「お母さん、あなたは、朝のラッシュにお子さんをつれて、通勤電車に乗ろうとしてるんですか?」とおっしゃいました。
福島では、車社会がメインであり、今まで通勤電車など使ったことのない私は、朝のラッシュがどんなに混雑しているものなのか、想像がついていませんでした。
校長先生自身も、その昔、子育て時代には、お子さんを保育園に自転車で送り届け、苦労した経験があるそうです。ですから、なおさら、電車の混雑など、子供に負担をかけるなど、とんでもない!とおっしゃるわけなのです。
なるほど、では、住居の近くの、幼稚園を探してみよう!
幼稚園さんの対応は、どの幼稚園もみなさん、親身に聞いてくれ、事情を組んでくれました。
ただ、問題が一つあり、ほとんどの幼稚園は8時から始まるということ、スクールバスもそれに合わせて始発だということ。
私は、通勤電車には8時には、もうすでに乗車していなければならない時間であり、出勤時間を調整して、遅くしてもらえたとしても、夕方帰宅するころには、幼稚園は降園時間が過ぎてしまう、という事実。
やはり、幼稚園は無理だということで断念しました。
保育園について、知らないことがたくさんあるのと、申請書類に不備があってはならないということ、住まいから各役所(市役所、区役所、福祉センター)までには、距離があり、足をたびたび運べないこと、などから、私は慎重に行動しようと、まず被災者支援窓口(市役所)へ行き、相談しました。
一番確認したかったのは、必要な書類、記入の仕方。
担当者Nさんは、自分は「一括の窓口であり、詳細は各担当へ行ってください。」と
他の課にいっしょに連れて行ってくれました。
こども未来局企画課Oさんにそろえた書類を見せて、確認してもらい、記入の仕方を聞きました。
住民票、在職証明書(夫、私、2通)、源泉徴収書、保育申請書、罹災証明書
Oさんは、一通り、目を通して、書き損じた時のために、余分に保育申請書をくれました。新しい保育園が記載された一覧表(更新版)もくれました。
さあ、これで全部そろった!
後日、私は、福祉センターへ足を運び、福祉職員Tさんに書類を渡して、受付完了!
・・・のはずだったのに、事態は急変しました。
この住民票ではダメだというのです。
私 「市役所に行って、書類全部確認していただのですが、なぜダメなんですか?教育委員会の学事課でも住民票がなければ、不利になるといったことはない、と言われたんですよ?こども未来局では、書類の書き方も指導していただいたし、不備がないように書類を確認してもらったんですよ?」
福祉職員T「広島市には、待機児童が多くいます。広島市のお金を使って、保育施設を運営している上、例外などありません。広島市の住民票がなければ受理できません。」
今まで、夫と必要な書類を何度も、連絡しあって取り寄せて、速達で送ってもらい、締切が前月の15日なので、福島から広島まで速達であっても、最低2日かかります。
夫も、福島の公務員として仕事をしているので、平日は勤務が終わった時間には、役所も閉まってしまうため、役所で書類一枚発行してもらうのに、時間休、もしくは年休をもらって、手続きすることになるんです。休みをとれば、同僚の職員に迷惑がかかる。たかが書類一枚かもしれないけれど、それには多くの人が関わってきて、みんなの協力があってこそ、手に入るものなのです。
それなのに・・・
福祉職員Tさんは、電話一本で各所に連絡し、Oさん言った、言わないの確認。
「どなたも住民票がいらない、なんて言ってませんよ」
そんな一言で終わっていました。
窓口に来る人は、私一人かもしれない。でもそうではなくて、私には家族がいて、またその周りには支える人たちがいる、それを含めて考えてもらえないものなのかと、私は泣き出してしまいました。
慎重に動いたはずなのに、なぜ こうなってしまったのか。
私の書類を最終的に確認してくれたOさんも、たまたま、そういう場面に遭遇したのでしょうけれど、自分でわからない点があるなら、ほかの職員に声をかけて、職員同士ダブルチェックする、とか、ほんの1~2分、同席してもらうことだって可能だったはずです。
たかが書類、されど書類、住民票ひとつで、招いてしまった出来事。
現在、広島に住民票を移し、無事、保育申請にまで間にあうことができました。
今度は、広島市に転入に伴い、乳幼児医療助成申請、子ども手当申請、に向けて、夫が福島で手続きをとっている最中です。
こども手当を受ける際、夫が生計の中心となっていることの証明の申立書が新たに、必要となり、書類を証明するための書類がさらに必要、といった複雑化している状態です。
すべては高い線量から子供たちを守るため。
未来ある子供たちを守るため。
わたしたちは、このような体制のままでいいのでしょうか。
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