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200万ドルを強奪しようと企む5人の男。
スタンリー・キューブリック監督の初期作品です。
刑務所から出所したばかりの男ジョニーは初老の男マービンと出会い、競馬場にある200万ドルの強奪を計画します。ジョニーは計画を遂行するために3人の男を誘います。
裕福な生活をしながらも借金取りに追われている警官、ランディー。
溺愛する妻シェリーのご機嫌をとるために大金を手にしたい競馬場の馬券売り係、ジョージ。
病弱な妻の安否を気にする競馬場のバーテン、マイク。
彼らは普通の人間。仕事を持ち真面目に暮らしているものの、それなりに問題がありました。
5人は綿密な計画を練りに練り、計画を実行に移す時期が迫っていたある日。ジョージは妻シェリーの押しに負けて計画のことを話してしまうのです。
シェリーはジョージへの愛など微塵もありませんでした。浮気相手の若い男バルに伝え2人は、強奪した大金を横取りしようと目論みます。
しかし、ジョージはシェリーに計画をバラしたことをジョニーたちに気付かれてしまいます。今までの信頼関係に乱れが・・・。
それぞれの思いが交錯する中、計画の実行当日を迎える5人の運命は・・・。
いやぁ~面白いですねぇ。どう転ぶか最後まで判らない展開に息を呑みます。
5人それぞれに短いながらもエピソードを与えて、疑心暗鬼になりながらも計画を遂行する様子は、誰が裏切ってもおかしくはない緊迫感を与えています。
さらに秀逸なのが、計画当日の見せ方です。時間軸を行ったり来たりさせながら、それぞれの役割を描いています。初めのシーンでは、判らなかった状況が時間をさかのぼりまた経過していくことによって次第に明確になり、最後は1つに集約されていきます。
でも、その見せ方も今の時代のような高度な特殊技術があれば、計画当日からのシーンはより興奮したかもしれませんね。キューブリック監督の頭の中で描いていた映像に技術が追い付いていないような気がしました。
ストーリーに話を戻すと、やはりキー・パーソンはジョージの妻シェリーですかね。彼女に計画が気付かれなければねぇ。ジョージの最期はもうホラーでした(^_^;
ラストは「あの猫が絶対何かやるな。」と思っていたのですが、案の定、やってくれました(^_^;
あんなこと想定に入れられるわけもないよなぁ・・・飛行機を選んだのが間違いだったのかな?
タランティーノ、コーエン兄弟、ソダーバーグあたりがリメイクすると面白いかもしれませんね。
Title:
THE KILLING
Country:
USA (1956)
Cast:
(Johnny Clay)STERLING HAYDEN
(Fay)COLEEN GRAY
(Marvin Unger)JAY C. FLIPPEN
(Policeman Randy Kennan)TED DE CORSIA
(George Peatty)ELISHA COOK JR.
(Mike O'Reilly)JOE SAWYER
(Nikki Arcane)TIMOTHY CAREY
(Maurice Oboukhoff)KOLA KWARIANI
(Sherry Peatty)MARIE WINDSOR
(Val Cannon)VINCE EDWARDS
Director:
STANLEY KUBRICK
