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定年間近の刑事と若い刑事が連続殺人事件を捜査するサイコ・ホラー。
デヴィッド・フィンチャー監督の人気を決定付けた傑作ホラーです。サスペンス?いや、ホラーでしょう。
大食。
強欲。
怠惰。
憤怒。
傲慢。
肉欲。
ねたみ。
人間を罪へと導く「7つの大罪」になぞられて起きる連続殺人事件。
定年間近のウィリアム・サマセット刑事と若いデビッド・ミルズ刑事がコンビを組み、この難事件を捜査します。
定年退職まで6日となるウィリアムはこの難事件を担当すること嫌います。しかし、職業病からなのか次第に事件にのめり込んでいきます。
一方、デビッドは最近転属された若い刑事。他の署で殺人課を5年勤務していましたが、まだまだ経験が浅くその言動は粋がっている若者のそれでした。
初めはデビッドと距離を置くウィリアムでしたが、デビッドの妻トレーシーとも親しくなり、ウィリアムに捜査のイロハをたたき込み始めます。
しかし、犯人を捕まえるどころか、次々と殺人事件が起きてしまいます。
それでもあきらめない2人の前に、予想すらできない事態が・・・。
コントラストの強い映像が、街全体を重くさせ治安の悪い退廃的な雰囲気を醸し出しています。
それが、視覚的だけでなく、精神的にも不安感を煽らせ、主要人物たちの心にも言い知れぬ「闇」を持たせているようでした。
デビッド、トレーシー、そして、ウィリアム。彼らにも「罪」がありました。
その「罪」に対して「罰」を与える物がこの事件の犯人・・・すべてが彼の計画通りに進むさまが異様であり、次の展開が読めない期待と不安が入り乱れます。
やはり、この犯人が登場してからの展開が秀逸ですね。
再見では、前半部はちょっと冗長的になってしまうかも・・・。被害者たちの気味悪さだけが残ってしまいました。
デビッド役にはブラッド・ピット。個性的で変わった設定の役を演じることが多い彼ですが、正義心溢れる刑事役というのも今にして思えば、珍しかったのかもしれませんね。
ウィリアム役にはモーガン・フリーマン。「動」の演技だったブラッド・ピットに対して「静」の演技で魅せています。
トレーシー役にはグウィネス・パルトロー。彼女はある意味キーパーソン的な役割を担うのですが、トレーシーの本心が聞けるのがウィリアムとの会話だけだったことに、もう少し、デビッドとの会話があってもなぁと思ってしまいました。
そして、犯人役にはあの人が(あの人と言っても下記のキャスト欄を見ればバレバレですが・・・)。彼にとって、この年は当たり年でしたね。ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンを相手に圧倒的な存在感を魅せ付けています。
クライマックスは必見です。
「罪」に対する「罰」を与える絶対的、かつ、確信的な犯人。
自らの「罪」を隠し、「罪」から人を守ろうとする刑事。
その2人の間には、今まで「罪」に気付かず本能で行動してした刑事が究極の選択に迫られます。
何が正しいのかまったく判りません。
結局、考えても正しい答えなどなく、本能のまま行動するしかなかったような・・・衝撃的なシーンでした。
本能まま行動してしまうことが「7つの大罪」だとしたら、人はみな「罪」を犯しているような・・・私?「大食」を犯し、先日の衣替えでウエストがきつくなったことを悔いている今日この頃です・・・何てオチだ(^_^;
Title:
SE7EN
Country:
USA (1995)
Cast:
(Detective David Mills)BRAD PITT
(Detective Lt. William Somerset)MORGAN FREEMAN
(Tracy Mills)GWYNETH PALTROW
(John Doe)KEVIN SPACEY
Director:
DAVID FINCHER
Awards:
New York Film Critics Circle Awards 1995
(NYFCC Award(Best Supporting Actor))KEVIN SPACEY
