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貴族の末裔たちの戯れ。
ロシアのニキータ・ミハルコフ監督の初期作品です。近年ですと「12人の怒れる男」のロシア版リメイクを手掛けています。
まず目を引くのは邦題ですよね。
「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」
・・・ナンじゃこりゃ!?ってっ感じです(^_^;
まぁ、このタイトルが気になって観てみたのですが、ピアノはあまり関係なかったり・・・。
終始、貴族たちの戯れが延々と描かれています。
貴族といっても紳士淑女のマナーとでもいいましょうか、カッチカチに固まった人物など1人もいません。皆、陽気な人たちばかりです。
ストーリーは、未亡人アンナの息子セルゲイの婚約を祝おうと、郊外にあるアンナの屋敷に古くからの知り合いが集うところから始まります。
陽気なアンナ。
アンナに甘える息子セルゲイ。
アンナに恋する初老の男グラゴリエフ。
町で唯一の医者ニコライ。
小学校の教師ミハイル。
ミハイルの妻でニコライの妹サーシャ。
新聞好きな寡黙な男ペトリン。
寝てばかりいるニコライとサーシャの父イヴァン。
そして、皆に紹介されるセルゲイの婚約者ソフィア。
しかし、そこで運命的な再会が待っていたのです。ミハイルとソフィアはかつての恋人同士。しかも、2人の愛は消えてはいませんでした。
さらに、アンナとミハイルとの間にも何やら・・・。
はたして、この集いは無事に終わることができるのか・・・。
「機械じかけのピアノ」は、これから始まる乱痴気騒ぎのファンファーレのようでしたね。
この後、隣人のシシェルブークらも加わり、乱痴気騒ぎはさらにエスカレートしていきます。
この騒ぎには何かしら意味があるのだと思うのですが・・・。
楽しそうにみえる彼らなのですが、どこか寂しい雰囲気もあります。無理に楽しんでいるような・・・そんな感じすら伝わってきます。
貴族らしくない彼らが、貴族の終焉を物語っているようでした。
ラスト。
「未完成」というのはミハイルのことだったのかなぁ・・・優秀であるはずのミハイルは何をやってもうまくいきません。
でも、あのラストで一応ハッピーエンドだったのかな?ラストのセリフにちょっと笑ってしまいました(^_^;
「機械じかけのピアノ」から始まった戯曲は、ミハイルによって未完成に終わったみたいです・・・。
Title:
NEOKONCHENNAYA PYESA DLYA MEKHANICHESKOGO PIANINO
Country:
Soviet Union (1977)
Cast:
(Mikhail Vassilyevich Platonov)ALEKSANDR KALYAGIN
(Sophia Yegorovna)YELENA SOLOVEY
(Sashenka)YEVGENIYA GLUSHENKO
(Anna Petrovna Voinitseva)ANTONINA SHURANOVA
(Sergey Pavlovich Voinitsev)YURI BOGATYRYOV
(Pavel Petrovich Shcherbuk)OLEG TABAKOV
(Porfiry Semyonovich Glagolyev)NIKOLAI PASTUKHOV
(Ivan Ivanovich Triletsky)PAVEL KADOCHNIKOV
(Nikolai Ivanovich Triletsky)NIKITA MIKHALKOV
(Gerasim Kuzmich Petrin)ANATOLI ROMASHIN
(Verochka)NATALYA NAZAROVA
(Yakov)SERGEI NIKONENKO
(Petechka)SERGEI GURYEV
Director:
NIKITA MIKHALKOV
