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人気俳優と上京してきた姉妹デュオの恋の行方。
その年のアカデミー賞作品賞を受賞したハリー・ボーモント監督の作品です。世界初の全編トーキーによるミュージカル映画です。
音も録れるようになって、その恩恵に与るのはやはりミュージカル映画なのでしょう。歌声が聞こえないミュージカルほどつまらないものはありませんからね。
この作品の成功で、ミュージカル映画が次々と製作されたそうです。
舞台はニューヨーク。ブロードウェイに憧れて上京してきたマホーニー姉妹。いつもポジティブで場馴れしている姉ハンクとは対照的に上京するのは早すぎたのではと不安を顕わにする妹クィニー。
ハンクには作戦がありました。婚約者で作曲家兼人気歌手のエディのコネに期待していたのです。
それに、ハンクはクィニーの美しさも注目されると考えていました。
エディは、ザンフィールド一座の新作レビューの稽古中。マホーニー姉妹はエディのコネでザンフィールドのオーディションを受けることになるのですが・・・。
凸凹姉妹。
性格。容姿。何から何まで正反対です(^_^;
あんなに身長差の異なる姉妹も珍しいのではと思うほどです。
でも、2人の共通点もしっかり描かれていました。
お互いを想ういたわり、やさしさ。
例えそれが自らを犠牲にすることになったとしても・・・美しい姉妹愛です。
姉妹愛を掻き乱すのはエディでした。でも悪人ではないです。ちゃんと他に悪役がいます(^_^;
「愛は理屈ではない。」
「突然やってくるんだ。」
エディの言葉に説得力はあるのですが・・・でもなぁ・・・どうなのでしょうね?
ところで、この作品。ミュージカル映画といっても、曲に合わせてセリフを言っているシーンは1つもなかったように思います。エディ、ハンク、クィニーが歌手であるため、盛り上がった拍子に歌を歌い出す・・・って感じでしょうか(^_^;
エディ役のチャールズ・キングは良い声ですね。でも、ハンク役のベッシー・ラヴとクィニー役のアニタ・ペイジは・・・聴く人が聴くと巧いのかな?
ザンフィールド一座のレビューも素人っぽさが否めないです。ミュージカル好きの人には物足りなさを感じてしまうかもしれませんね。
でも、ミュージカル映画の歴史の1ページに名を残す作品として、一見の価値はあるかも。
Title:
THE BROADWAY MELODY
Country:
USA (1929)
Cast:
(Eddie Kearns)CHARLES KING
(Queenie Mahoney)ANITA PAGE
(Hank Mahoney)BESSIE LOVE
(Uncle Jed)JED PROUTY
(Jock Warriner)KENNETH THOMSON
(Francis Zanfield)EDDIE KANE
Director:
HARRY BEAUMONT
Awards:
Academy Awards, USA 1930
(Oscar(Best Picture))
