レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで | ひでの徒然『映画』日記

ひでの徒然『映画』日記

映画レビューを徒然なるままに書き綴ります。


ひでの徒然『映画』日記-レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで


Comment:

夫婦の心のすれ違いを描いたヒューマン・ラブストーリー。


「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオ&ケイト・ウィンスレットの再共演で話題になったこの作品。さらに、キャシー・ベイツも出演していたので「タイタニック・トリオ」ですね(^_^;


監督は「アメリカン・ビューティー」でアカデミー賞監督賞し、ケイト・ウィンスレットの夫でもあるサム・メンデス監督です。


ケイト・ウィンスレットが原作&脚本に惚れ込み、製作から参加していただけあって彼女の気迫が感じられる作品に仕上がっています。


舞台は1950年代のアメリカ。戦後間もないアメリカは誰もが夢を抱いていました。


しかし、社会は男性上位。女性のほとんどは家に閉じ込められたかのように専業主婦に専念せざるを得ませんでした。


それは、男性にとっても同じことでした。皆が同じスーツと帽子をかぶり、同じように通勤・・・やりがいのない仕事を淡々とこなす毎日・・・。


この時代は女性は家に男性は社会に閉じ込められていたのです。


そんな社会から抜け出そうとしたフランクとエイプリルのウィーラー夫婦の物語です。


この作品を観ていて「めぐりあう時間たち」でジュリアン・ムーアが演じたローラを思い出しました。彼女も家に縛られた女性でしたね。


彼女は「ダロウェイ夫人」を読んで束縛されていた家から抜け出そうとしました。


この作品のエイプリルは、女優の卵でした。初めは夢と希望に満ち溢れています。さらに、フランクと出会い仕事も恋も順調かに見えました。


しかし、エイプリルは妊娠してニューヨークから郊外の1戸建の家へ引っ越すことを決意します。


レボリューショナリー・ロードの小高い丘にある小さな白い家。


彼女は妻として母親としての生活を始めますが・・・。


エイプリルはレボリューショナリー・ロードに自分の存在価値を見出せなかったのでしょうね。市民劇団に出演したのも女優としての夢を捨て切れなかったからなのかもしれませんね。


何もかも失敗し、すべてに後悔しているかのようなエイプリルにとっては、離れた土地で人生をやり直したかったのでしょうね。


フランクはというと、エイプリルと出会った頃には彼なりの野心がありました。自分と同じ夢や希望を持っていると感じたからこそ2人は惹かれ合ったのだと思います。


しかし、フランクもエイプリルが妊娠すると、野心は消え失せ、父と同じ会社へ就職、社会の歯車の1つにでもなったかのような面白味のない生活を強いられてしまいます。


フランクもエイプリルも「家族」を守るために夢をあきらめ、7年間の月日が経ちます。


エイプリルは心に溜めていた想いを爆発させ、それに触発されたかのようにフランクも想いを爆発させるのですが・・・。


フランク役のレオナルド・ディカプリオとエイプリル役のケイト・ウィンスレットの演技が素晴らしいです。随所でみせる2人の喧嘩のシーンは、感情が激しくぶつかり合うものの、お互いに苦悩し、かつ、愛し合ってもいるという複雑な表情でその場の雰囲気を見事に表現しています。


さらに、


レボリューショナリー・ロードに古くから住むご意見番的な存在であるヘンリー役のキャシー・ベイツ。

ヘンリーの息子で精神科に通うジョン役のマイケル・シャノン。

フランクたちの隣家に住む妻ミリー・キャンベル役のキャスリン・ハーン。

エイプリルに密かに気があるシェップ・キャンベル役のデヴィッド・ハーバー。


らが、フランクとエイプリルとは違う社会に逆らわずに生きる家族の在り方を伝えたり、フランクとエイプリルの考え方に影響を与える存在になったりします。


フランクとエイプリルにとってキャンベル夫婦はあのようになりたくはないという反面教師的な存在であり、ジョンは2人が言えない心の代弁者であったのかもしれませんね。


ラスト。


衝撃的な展開が待っていました。


サム・メンデス監督の演出によって、結末よりもその過程が重要であることが伝わってきます。DVD特典ではカットされたラストの展開が収録されていましたが、カットして正解だったのではないでしょうか。監督の考え方にも共感できます。


自分らしく生きるってこんなにも難しいものなのですね。


ミリーとシェップが幸せなのかどうか・・・ミリーはヘンリーに近づきつつあるようでしたが、シェップはどうなのでしょう?


ヘンリーと夫。ヘンリーはこの時代で生きることができる典型的な女性だったのでしょうね。夫の表情がシェップの未来を予感させます。


フランクとエイプリルの物語であったはずなのに、実は、2人の姿を通して、周りにいた人たちの心情も描いています。


フランクがバート本部長から告げられた言葉、


「人生、チャンスが訪れるのは稀。」

「それをつかまぬ人間は二流の人生を生きることになる。」


二流の人生って何のでしょうね。平凡ってことなのでしょうか?なんか違いますね。やりがいや生きがいのない人生ってことなのでしょうか?


ラストシーンのレボリューショナリー・ロードに住む2組の夫婦がチャンスを掴み損ねた人たちであるかのように見えてしまいました。



にひひにひひにひひかお



Title:

REVOLUTIONARY ROAD


Country:

USA/UK (2008)


Cast:

(Frank Wheeler)LEONARDO DiCAPRIO

(April Wheeler)KATE WINSLET

(John Givings)MICHAEL SHANNON

(Mrs. Helen Givings)KATHY BATES

(Mr. Howard Givings)RICHARD EASTON

(Shep Campbell)DAVID HARBOUR

(Milly Campbell)KATHRYN HAHN

(Maureen Grube)ZOE KAZAN

(Jack Ordway)DYLAN BAKER

(Bart Pollack)JAY O. SANDERS


Director:

SAM MENDES


Awards:

Golden Globes, USA 2009

(Golden Globe(Best Performance by an Actress in a Motion Picture - Drama))KATE WINSLET



にほんブログ村 映画ブログ 外国映画(洋画)へ ←ランキング参加中です。