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殺人事件の容疑者になってしまった男の顛末を描いたサスペンス。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督のサスペンスです。
いやぁ、これは面白い!
「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」のような心温まる作品に定評のある監督ですが、この作品を観たら、サスペンスも一級品の作品を仕上げる監督だと思うのではないでしょうか。
まず、オープニングからヤラれました。
森の中に轟く一発の銃声。
映像は人物を映すことはなく、その者の視線を描いています。森の中をひたすら逃げるその視線は気が動転でもしているかのようです。
また、逃げている時に流れる音楽が不気味さを倍増しています。さすがエンニオ・モリコーネ。このオープニングだけでも観る価値があります。
雷雨になり、逃げていた者がやっと映し出されます。
その男はびしょ濡れになりながら、道路をさらに走ります。
すると、目の前に警官たちが・・・。
身分証明を持たずにいた男は、警察署へと連行されてしまいます。
寂れた警察署。
雨漏りがひどいです。
何も悪いことはしていないと息巻く男は警官たちと一悶着を起こしてしまいますが、署長がやって来て尋問が始まります。
頑として語らない男と署長との尋問合戦が始まるのですが・・・。
ここからはほぼ署長室でのシーンばかりです。
密室での2人のやり取り。
調書をタイプする若い警官ンドレ。
庭師の老人。
男を不審がる数人の警官たち。
彼らだけでストーリーは展開していきます。
記憶が曖昧な男は、次第にその記憶の断片を繋ぎ合せて真実に辿りつきますが・・・。
署長は、その夜に起きた殺人事件の容疑者として男を尋問していきますが・・・。
はたして、その結末は・・・。
男役にはジェラール・ドパルデュー。警察署、警官たち、署長、そして、自分自身にも疑問を抱いてしまう男を迫真の演技で魅せています。えっ!あんなに太っていたの?と思ってしまうくらいメタボってます(^_^;
署長役にはロマン・ポランスキー監督。役者としても活躍している監督ですが見事です。ジェラール・ドパルデューの鬼気迫る演技に真っ向から挑んでいます。
この2人の演技対決もこの作品の見どころですね。
ラスト。
・・・そう、何か違和感があったのは気付いていたんです。
でも、それが何だったのか・・・衝撃のクライマックスで明かされます。
言いたくて言いたくてウズウズしているのですが、これを言ってしまうと面白さが半減してしまうので言えません・・・ぜひご覧になって確かめてくださいね。
なるべく関係のないところで私から言えることは、もしかしたら署長は本当に「レオナルド・ダ・ヴィンチ」だったのかも・・・ということです。
Title:
PURA FORMALITÀ, UNA
Country:
Italy/France (1994)
Cast:
(Onoff)GÉRARD DEPARDIEU
(Inspector)ROMAN POLANSKI
(Andre, the Young Policeman)SERGIO RUBINI
(Captain)NICOLA DI PINTO
(Servant)TANO CIMAROSA
(Marshall)PAOLO LOMBARDI
(Paula)MARIA ROSA SPAGNOLO
Director:
GIUSEPPE TORNATORE
