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ゴッサム・シティから悪を滅ぼすために闘うバットマンの苦悩を描いたアクション大作。
「バッドマン ビギンズ」の続編となるこの作品。「続編のジンクス」など全く関係なく、さらにスケールアップした世界観と重厚なストーリーで観ている者を圧倒します。
特に説明する必要もないですね。やっぱりこの作品の成功の立役者は「ジョーカー」を演じたヒース・レジャーでした。オープニングでの銀行強盗のシーンから圧倒的な存在感を放っています。
人間の恐怖、狂気、憎悪を快楽に感じるジョーカーを文字通り怪演しています。
とても「ブロークバック・マウンテン」で寡黙なイニスを演じた男と同一人物だとは思えませんでした。
特殊メイクも恐怖を倍増していますが、
人を馬鹿にしたような喋り方。
相手の心を見透かしたような視線。
そして、躊躇のない卑劣な行動。
ヒース・レジャーが一挙手一投足、全身全霊で演じたからこそ、画面全体からジョーカーの怖さが伝わってきました。
このジョーカーが序盤から終盤のほぼすべてを引っ張っていきます。
バットマンことブルース・ウェイン役には前作同様、クリスチャン・ベイル。今回のバットマンも苦悩の日々が続きます。バットマンとして体力的に限界を感じ始めたブルース・ウェイン。しかし、辞めるにはゴッサム・シティを守るヒーローの存在が不可欠でした。
そこに現れた新任検事のハービー・デント。彼は「光の騎士」として、民衆から讃えられるようになります。バットマンは彼が未来のヒーローになれる人物ではとハービーに近づくのですが・・・。
ハービー・デント役にはアーロン・エッカート。彼も素晴らしい演技でしたね。特にトゥー・フェイス後はCGの効果もありますが、迫真の演技でした。
この作品は、ブルースの執事アルフレッド役のマイケル・ケインや影の科学者ルーシャス・フォックス役のモーガン・フリーマンらが出しゃばらずに、クリスチャン・ベイル、アーロン・エッカート、そして、ヒース・レジャーらが好演していたところも良かったですね。
ウェインとハービーの間で揺れるレイチェル役には前作のケイティ・ホームズからマギー・ギレンホールへ。照明のせいなのか、ちょっと老けて見えてしまったのは気のせいでしょうか。彼女、もっと可愛いはずなのにね・・・(^_^;
バットマンを唯一信頼する刑事ジム役は前作同様、ゲイリー・オールドマン。今回は前作より活躍していましたね。でも、彼が正義感のある真面目な男を演じているのには、どうしても違和感を覚えてしまいます。眼鏡と髭だけで、人ってあんなに変われるものですかね(^_^;
あと、バットマンが登場するシーンで、やはり前作同様、キリアン・マーフィが演じる「スケアクロウ」も登場していましたね。でも、ほとんどカメオ的な出演でしたが(^_^;
ラスト。
終盤でのジョーカーとバットマンの一騎打ち。バットマンの視界がデジタル化される索敵システム?が何度も登場したので目が疲れてしまいましたが、ジョーカーはバットマンに負けたのではなく、あの2隻の船に乗船していた一般客と囚人たちに負けたのでしょうね。
闇の騎士。ダークナイト。
「ダーク」という言葉は心の闇も意味しているのでしょうか。
決して光の騎士にはなれないバットマン。ラストの決断は「ダークナイト」だからこそできる所業なのでしょうね。
正義のために悪になるバットマン。
復讐のために悪になるトゥー・フェイス。
人の心に潜む闇を悪へと導くジョーカー。
3人とも異なる意味で「ダークナイト」と呼べるのかもしれませんね。
重厚なストーリーと迫力あるアクションで三者三様の「ダークナイト」を絶妙なバランスで魅せていました。紛れもない傑作です。
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Title:
THE DARK KNIGHT
Country:
USA (2008)
Cast:
(Bruce Wayne / Batman)CHRISTIAN BALE
(The Joker)HEATH LEDGER
(Harvey Dent / Two-Face)AARON ECKHART
(Alfred Pennyworth)MICHAEL CAINE
(Rachel Dawes)MAGGIE GYLLENHAAL
(James Gordon)GARY OLDMAN
(Lucius Fox)MORGAN FREEMAN
(Scarecrow)CILLIAN MURPHY
Director:
CHRISTOPHER NOLAN
Awards:
Los Angeles Film Critics Association Awards 2008
(LAFCA Award(Best Supporting Actor))HEATH LEDGER
